Saturday, November 1, 2025

AI 投資への期待が高いIT関連企業がリードした市場








1.10月の株式式市場    

10月の株式市場は、米中の通商問題の懸念がったものの、大きく相場を動かしたはAI投資への期待が高いIT株で、月間で164ドルの上昇となりました。主要な動きは以下の通りでした。

101日:労働市場の減速を示す経済指標の発表を受けてFRBによる追加利下げ観測が高まり、株買いを支えて、43ドル高(0.09%増加)。                          

102日:FRBが追加利下げに踏み切るとの観測が引き続き相場の支えとなり、79ドル高(0.16%増加)。                                        

103日:FRBの追加利下げ観測や米株式相場の先高観が意識され、出欧れていたディフェンシブ株などが買われて、239ドル高(0.51%増加)。                      

106日:連日で最高値を更新した後で、景気敏感株や消費関連株の一角に利益確定や持ち高調整のの売りが出て、63ドル安(0.13%減少)。                        

107日:先週末に最高値を付けるなど短期的な過熱感が意識される中、ハイテク株の一部に利益確定の売りが出て、92ドル安(0.19%減少)。                       

108日:米連邦政府機関の一部閉鎖が長引く可能性がある中で、消費財関連の一角の下げが指数の重荷になり、1ドル安。                                

109日:株式相場の過熱感が意識される中、主力株に利益確定の売りが出て、243ドル安(0.52%減少)。                                     

1010日:中国政府がレアアースの輸出規制を打ち出したことで、トランプ大統領が過剰に反応して、対中関税の引き上げを示唆したことで、米中関係悪化への警戒が広がり、879ドル安(1.89%減少)。

1013日:先週末に強まった米中の貿易摩擦に対する警戒が一服し、主力株を買う動きが広がり、588ドル高(1.29%高)。                              

1014日:FRBのパウエル議長が量的引き締めの終了が近いことを示唆したことで、投資家心理が改善し、201ドル高(0.44%増加)。                           

1015日:米中貿易摩擦への懸念が強く、ダウ平均の重荷となり、17ドル安(0.03%減少)。   1016日:銀行業界の健全性を巡る懸念から金融株全般が売られ、相場の重荷となり、301ドル安(0.65%減少)。                                    

1017日:米地銀の信用不安を巡る警戒感が和らぎ、投資家のリスク回避姿勢が後退し、238ドル高(0.51%増加)。                                   

1020日:貿易問題を巡る米中の対立が緩和に向かうとの見方から、516ドル高(1.11%増加)。

1021日:四半期決算の発表を手掛かりとした買いが一部の銘柄に入り、218ドル高(0.46%増加)。                                         1022日:銀行業期の健全性を巡る懸念から金融界全体が売られ、相場の重荷となり、334ドル安(0.71%減少)。                                    

1023日:79月期決算の発表が本格化する中、業績が好調なハネウエルなどの銘柄に買いが入り、144ドル高(0.30%増加)。                             

1024日:同日朝に発表された9月の米消費者物価指数が前年同月比3%と市場予想を下回り、FRBが来週の会合で利下げを決めるとの見方が強まり、主力株に買いが入って、473ドル高(1.01%増加)。

1027日:米中対立が緩和に向かうとの期待から、ハイテク株を中心に主力株に買いが広がり、337ドル高(0.71%増加)。                               

1028日:米中貿易摩擦や米利下げ観測に加えて、エヌビディアなど個別に好材料のだた銘柄の買いが主要株価指数を押し上げて、162ドル高(0.34%増加)。               

1029日:FOMC会合後の記者会見で、パウエル議長が12月の利下げが既定路線ではないとの認識を示したことで、利下げ期待感が後退し、74ドル安(0.15%減少)。              

1030日:AI関連の投資拡大懸念からテック株が売られたことに加え、米中貿易交渉の結果が市場の期待に届かなったとの見方が重荷となり、110ドル安(0.23%減少)。          

1031日:前日に好調な四半期決算を発表したアマゾンが相場を支え、41ドル高(0.09%増加)。

 

2.8月の米消費者物価指数は前年同月比で2.9%上昇

米労働省が24 日に発表した9 月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率が8月の2.9%から3.0%に加速しましたが、市場予想の3.1%は下回りました。伸びはトランプ大統領が大規模な相互関税を公表した4月の2.3%から加速を続けています。輸入品の多い衣類や家具が値上がりするなど、企業が関税の支払い分を販売価格に転嫁する動きが続いています。

エネルギーと食品を除くコア指数も3.0%上昇しましtが、8月と同じく、3.1%との予想より下回りました。

FOMCの見方は分かれており、一部の理事は家賃や電気代を含めたサービス価格の伸びが3%半ばから鈍化しにくくなていいると警戒心を示しました。これに対し、関税の影響を除いた基調的なインフレ率はかなり低い水準で推移していると主張する理事もいます。

 

310月のFOMC会合

FOMC会合は1028-29日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。利用可能な指標は、経済活動が緩やかなペースになっていることを示唆している。雇用の伸びは今年減速し、失業率は上昇したものの依、8月まで低い水準にとどまっている。より最近の指標はこれらの動きと一いしている。インフレ率は年初から上昇し、やや高い水準で推移している。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払い、最近数カ月で雇用の下振れリスクが高まったと判断している。

目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き下げて、3.754.0%に据え置くことを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

FOMC121日をもって保有証券の削減を終了することを決定した。FOMCは雇用の最大化を支援し、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む10人のメンバーの賛成による。今回の決定にミラン理事は0.5 %の利下げを希望し、カンザスシティ連銀のシュミット総裁が金利の据え置きを望んで反対した。

今回のFOMCでは、0.25%の利下げを決めたものの、FOMC会合後の記者会見で、パウエル議長が12月の利下げが既定路線ではないとの認識を示したことで、利下げ期待感が後退し、74ドル安となりました。 

         (2025111日: 村方 清)