Sunday, February 1, 2026

利下げ見通しの不透明感が増した市場







1月の株式式市場

1月の株式市場は1月半ばまでは利下げ期待の相場が続いたが、2728日に開催したFOMCで据え置きが決定したことやFRB新議長に金融緩和に消極的なウォーシュ元理事が決まったことで、利下げ見通しの不透明感が増しました。主要な動きは以下の通りでした。

12日:前営業日までの4日間に600ドル以上下落していたこともあり、主力株に買い直す動きがあり、319ドル高(0.66%ぞうか)。                           

15日:トランプ大統領のベネズエラへの大規模攻撃による石油インフラ修復の思惑から、石油関連株に買いが入り、595ドル高(1.22%増加)。                      

16日:ディフェンシブ株が買われたほか、アマゾンなどのAI関連銘柄が物色され、485ドル高(0.99%増加)。                                       

17日:連日で最高値を更新した後で、高値警戒感から景気敏感株などに持ち高調整の売りが優勢で、466ドル安(0.94%減少)。                             

18日:8日発表の週間の新規失業保険申請件数が208,000件と市場予想を下回ったことで、米景気の底堅さを示したとして、270ドル高(0.55%増加)。                   

19日:同日発表の202512月の米雇用統計が前月比50,000人増え、市場予想を下回ったものの、平均時給の上昇率が前月比3.8%で、市場予想を上回り、米労働市場の底堅さを示したことで、景気敏感株を中心に買いが入り、238ドル高(0.48%増加)。               

112日:トランプ政権によるFRBの独立性への懸念が高まる中で、半導体関連など一部のハイテク株に買いが入り、86ドル高(0.17%増加)。                       

113日:イラン情勢の悪化と言った地政学リスクの警戒感と利益確定や持ち高調整の売りが優勢で、398ドル安(0.80%減少)。                              

114日:複数の地政学リスクを巡る不透明感と四半期決算を発表した銀行株に売りが出て、42ドル安(0.08%減少)。                                   

115日:四半期決算を発表した金融株に買いが入り、292ドル高(0.59%増加)。       

116日:FRBの次期議長人事を巡る不透明感が増したことで米長期金利が上昇、相場の重荷となり、83ドル安(0.16%減少)。                              

120日:デンマーク自治領のグリーンランドを巡って米欧の対立が深まることが予想され、米国株の売りが広がり、871ドル安(1.76%増加)。                       

121日:米国によるデンマーク領グリーンランドの取得を巡って、トランプ大統領が欧州への追加関税を見送る考えを示したことで、米欧対立の懸念が後退し、買いが広がり、589ドル高(1.21%増加)。                                     

122日:デンマーク領グリーンランドを巡る米欧摩擦の懸念がひとまず薄れたこと及び米国の新規失業申請件数が市場予想を下回ったことなどで、307ドル高(0.62%増加)。         

123日:トランプ大統領がデバンキングを理由にJPモルガンのCEOを提訴したことを受けて、金融株を中心に売りが出たことや四半期決算を発表したインテルが急落したことで、285ドル安(0.57%減少)。                                     

126日:アップルなど大手ハイテク株を中心に買いが入り、314ドル高(0.63%増加)。    

127日:27日に四半期決算を発表したユナイテッドヘルス・グループが急落し、指数を大幅に下げ、409ドル安(0.82%減少)。                              

128日:FRB28日まで開いたFOMC4回合振りに政策金利を据え置いたが、予想通りとの受け止めが強く、相場の方向感は出ず、12ドル高(0.02%増加)。               

129日:28日夕発表の四半期決算が市場予想を上回ったIBMに買いが入り、56ドル高(0.11%増加)。                                         

130日:トランプ大統領が新議長にウォーシュ元FRB理事を指名したが、新議長の下では市場の想定ほど利下げが進まないとの見方から、179ドル安(0.36%減少)。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が9日に発表した12月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比50,000人       で、市場予想の50,000から70,000人を上回りました。10月の雇用者数の確定値は173,000人で、18,000人の増加、11月の改定値は56,000人で、8,000人の減少でした。12テ氏関税の領が月の失業率は4.4%で、前月より低下しました。労働参加率は62.4%で、前月より0.1%減少しました。12月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で12セント増加しました。部門別では飲食業部門が27,000人の増加、ヘルスケア部門が21,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が17,000人の増加であったものの、小売業部門は25,000人の減少となりました。

 

3.  12月の米消費者物価指数は前年同月比で2.7%上昇

米労働省が13日に発表した12月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率は2.7%で、市場予想を下回りました。エネルギーと食品を除くコア指数では伸び率が2.6%で、市場予想を下回りました。物価上昇率の安定が見通せるようになれば、FRBへの利下げ圧力が強まります。ただし、FRBの金融政策に加わる地区連銀の総裁等の中には、物価上昇率が目標を上回り続ける中での利下げに慎重な‘声が少なくないのも状況です。

 

31月のFOMC会合

FOMC会合は12728日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。利用可能な指標は、経済活動が着実なペースになっていることを示唆している。雇用の伸びは鈍いままで、失業率は安定の兆しを示している。インフレ率はやや高い水準で推移している。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払っている。

目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.53.75%で維持することを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

FOMCは準備預金残高が十分な水準まで減少したと判断し、準備金を恒常的に十分な水準に維持するために、必要に応じて短期国債の購入を開始する。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む10人のメンバーの賛成による。今回の決定にミラン理事とウォーラー理事が0.25%の利下げを求めて反対した。

今回のFOMCの決定はほぼ想定通りとの受け止があり、相場の反応は限られました。

今回のFOMCでは、市場の予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決めました。利下げの恩恵を受けるとの期待で消費関連や景気敏感株、金融株の上昇が目立ち、497ドル高(1.04%増加)となりました。  

            (村方 清   202621) 

Thursday, January 1, 2026

利下げ期待とAI過剰投資への警戒が交錯する市場








12月の株式式市場  

12月の株式市場は、1210日のFOMC会合での利下げ決定まで株価の上昇基調がが続いたものの、それ以降はAI過剰投資への警戒感も強まり、不安定な動きとなりました。主要な動きは以下の通りでした。

121日:前週末の5営業日で2000ドル近く上昇していたため、利益確定や持ち高調整の売りが優勢で、427ドル安(0.98%減少)。                           

122日:暗号資産のビットコインへの売りが一服し、投資家心理が回復したことやハイテク株へへの買いも支えとなり、185ドル高(0.39%増加)。                    

123日:同日発表の米雇用指標が市場予想を下回り、FRBによる利下げが意識されて、消生じ関連材に買いが入り、408ドル高(0.86%増加)。                       

124日:11月中旬につけた過去最高値に近づいており、利益確定の売りが出て32ドル安(0.06%減少)。                                    

125日:同日発表の12月の米消費者態度指数が53.3だったことや9月の米個人消消費支出物価指数が前月比で0.3%上昇と市場予想と一致したことで、FRBの追加利下げを妨げないいとの見方から、104ドル高(0.21%増加)。                               

128日:最高値が近づく中で、910日のFOMCの結果公表を前に持ち高調整の売りがが優勢となり、消費者関連株の一角に下げが起きて、216ドル安(0.44%減少)。             

129日:FOMCの結果公表を10日に控えて、様子見の雰囲気が強く、高値警戒感ももくすぶり、179ドル安(0.37%減少)。                                 

1210日:FRB10日まで開いたFOMCで市場の予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決め、同時に短期国債を購入する方針を決めたことで、ダウは498ドル高(1.04%増加)。        

1211日:FRBの利下げが景気を支えるとの見方が株買いを促し、646ドル高(1.34%増加)。 

1212日:人口知能(AI)投資を巡る不透明感が投資家心理の重荷となり、ブロードコムやオラクルなどのハイテク株が大きく下落したことで、246ドル安(0.50%減少)。             

1215日:最高値圏にある中、ハイテク株の一角に売りが出て、41ドル安(0.08%減少)。  

1216日:同日発表の11月の雇用統計や10月の米小売売上高は強弱が入り乱れる内容となり、先行きの雇用や金融政策を巡る不透明感が意識され、302ドル安(0.62%減少)。       

1217日:AI関連の巨額投資に対する先行き不透明感からオラクルが大幅安となり、他のハイテク株にも売りが波及し、228ドル安(0.47%減少)。                    

1218日:同日発表の11月のCPIが前年同期比の上昇率が2.7%となり、エネルギー・食品を除くコア指数も2.6%の上昇で、いずれも市場予想を下回ったことで、米利下げ観測が意識され、66ドル高(0.13%増加)。                                 

1219日:AIを巡る不透明感がいったん晴れたことで、ハイテク株を買い直す動きがあり、相場を押し上げ、183ドル高(0.38%増加)。                          

1222日:主力のハイテク株が持ち直し、投資家が運用リスクを高める姿勢を強めて、228ドル高(0.47%増加)。                                    

1223日:ハイテク株や景気敏感株の一角に買いが入り指数を支え、79ドル高(0.16%増加)。

1224日:年末は株価が上昇しやすい時期とされ、ディフェンシブや景気敏感、消費関連などを中心に買いが入り、289ドル高(0.60%増加)。                      

1226日:24日に最高値を付けた後で、利益確定の売りが優勢で、20ドル安(0.04%減少)。 1229日:米株式相場が最高値圏で推移する中で、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが優勢で249ドル安(0.51%減少)。

1230日:年末で市場参加者が少ない中で、景気敏感株などに持ち高調整の売りが出て、95ドル安(0.19%減少)。                                   

1231日:年末で新たな買いの動きが乏しいことや週間の米失業保険申請件数が199,000件と市場予想の220,000件を下回ったことで、利下げへの不透明感が出たことなどで、304ドル安(0.62%減少)。なお、ダウは3年連続で上昇し、2025年は前年比12.97%の増加。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が16日に発表した11月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比64,000人で、市場予想の40,000から50,000人を上回りました。8月の雇用者数の確定値はマイナス24,000人で、22,000人の減少、9月の改定値はマイナス108,000人で、11,000人の減少でした。9テ氏関税の領が月の失業率は4.6%で、前月より0.2%悪化しました。労働参加率は62.5%で、前月より0.1%増加しました。8月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で9セント増加しました。部門別ではヘルスケア部門が46,000人の増加、建設業部門が28,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が18,000人の増加、運輸・倉庫部門は18,000人の増加となりました。

 

312月のFOMC会合

FOMC会合は12910日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。利用可能な指標は、経済活動が緩やかなペースになっていることを示唆している。雇用の伸びは今年減速し、失業率は9月までにやや上昇した。より最近の指標もこれらの動きと一致している。インフレ率は年初から上昇し、やや高い水準で推移している。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払い、最近数カ月で雇用の下振れリスクが高まったと判断している。

目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き下げて3.5%〜3.75とすることを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

FOMCは準備預金残高が十分な水準まで減少したと判断し、準備金を恒常的に十分な水準に維持するために、必要に応じて短期国債の購入を開始する。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む9人のメンバーの賛成による。今回の決定にミラン理事は0.5 %の利下げを希望し、シカゴ連銀のグールズビー総裁とカンザスシティ連銀のシュミット総裁が金利の据え置きを望んで反対した。

今回のFOMCでは、市場の予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決めました。利下げの恩恵を受けるとの期待で消費関連や景気敏感株、金融株の上昇が目立ち、497ドル高(1.04%増加)となりました。  

           202611日: 村方 清                      

Monday, December 1, 2025

利下げ観測が先導する投機的な株式市場








1.11月の株式式市場   

11月の株式市場は、11月中旬に連邦議会での合意成立による政府機関の一部閉鎖が解除されたことに加えて、関税や政府機関職員の解雇などによる景気悪化から年内の利下げ観測が強まり、株式市場は投機性を増して上昇傾向を強めました。主要な動きは以下の通りでした。

113日:米サプライマネジメント協会が発表した10月の製造業景況感指数は48.7と市場予想を下回り、加えて相場が最高値圏にあることなどで、主力株の一部に持ち高調整の売りが出て、226ドル安(0.47%減少)。                                      114日:AI関連銘柄や相場の割高感が意識され、ハイテク株を中心に売りが広がり、251ドル安(0.53%減少)。                                      115日:5日発表のADP全米雇用レポートで、非農業部門の雇用者数は42,000人の増加となり、市場予想の22,000人を上回り、投資家心理の改善につながり、226ドル高(0.47%増加)。        116日:米雇用情勢の減速を示す調査会社のデータを受け、米景気の先行き不透明感が高まり、399ドル安(0.83%減少)。                                    117日:米連邦政府の一部機関閉鎖の解除に向けた動きが進展する思惑が浮上して、75ドル高(0.15%増加)。                                       1110日:米連邦政府機関の一部閉鎖の解除に向けて、連邦議会上院が9日につなぎ予算を採決するための動議を可決し、近く上院で予算が可決する見通しになったことから、382ドル高(0.81%増加)。                                    1111日:つなぎ予算が上院だけでなく、12日は下院でも採決される見通しになったことで、米政府機関の再開に向けた動きが前進したことで、559ドル高(1.18%増加)。              1112日:米政府機関の一部閉鎖が解除に向かっているとの見方が引き続き、投資家心理を支えて、327ドル高(0.68%増加)。                                 1113日:連日で最高値を更新した後で、AI銘柄を中心に売りが広がり、798ドル安(1.65%減少)。                                         1114日:FRBの追加利下げ観測の後退が引き続き重荷となったことや米経済を巡る不透明感が根強いことで、310ドル安(0.65%減少)。                             1117日:FRBの追加利下げ観測が後退し、エヌビディアも決算発表前に持ち高調整の売りが優勢となり、557ドル安(1.18%減少)。                               1118日:19日のエヌビディアの決算発表を控えて、多くのハイテク株などに売りが出て、499ドル安(1.06%減少)。                                      1119日:主力株の一角を買い戻す動きがあり、相場を支えて、47ドル高(0.10%増加)。     1120日:同日発表の9月の米雇用統計で非農業部門の雇用数が前月比119000人増え、市場予想を上回ったものの、失業率は4.4%と市場予想より高く、2110月以来の高水準となり、評価が分かれた。一方、エヌビディアは好決算で一時5%近く上昇したものの、ビットコインが急速に下がり、投資家心理が悪化して、387ドル安(0.83%減少)。                          1121日:FRB12910日に開くFOMCで利下げを決めるとの観測が高まり、主力株に買いが入り、493ドル高(1.07%増加)。                                 1124日:FRBの追加利下げ観測が高まりから、ハイテク株に買いが広がり、203ドル高(0.43%増加)。                                           1125日:25日発表の米小売売上高は前月比0.2%増と市場予想を下回り、9月の米卸売物価指数も食品とエネルギーを除くコアが前月比0.1%上昇と市場予想に届かず、FRBの利下げ観測を支える内容であったことで、664ドル高(1.42%増加)。                            1126日:低調な米経済指標を受けて、FRBの追加利下げ観測が意識されて投資家心理が改善し、315ドル高(0.66%増加)。                                    1128日:FRB12910日に開くFOMCで利下げを決めるとの観測が高まり、289ドル高(0.60%増加)。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が20日に発表した9月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比119,000人で、市場予想の50,000人を大きく上回りました。7月の雇用者数の確定値は72,000人で、9000人の減少、8月の改定値はマイナス4,000人で、26,000人の減少でした。9テ氏関税の領が月の失業率は4.4%で、前月より0.1%悪化しました。労働参加率は62.4%で、前月より0.1%増加しました。8月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で9セント増加しました。部門別ではヘルスケア部門が43,000人の増加、飲食サービス部門が37,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が14000人の増加でしたが、運輸・倉庫部門は25,000人の減少となりました。


3.10月のFOMC要旨

FRB1119日に、102829日に開いたFOMCの議事録を公表しました。多くの参加者が政策金利を少なくとも年末まで据え置くとの見通しをしていたことがわかりました。このため、12910日に予定される次回のFOMCは分裂含みで、複数の連銀総裁がインフレ率の高止まりを警戒して追加利下げに慎重な発言をしています。一方、一部の理事は雇用情勢の失速懸念を強調して、次回の利下げへの支持を表明しています。

              2025121日:村方 清

           

 

Saturday, November 1, 2025

AI 投資への期待が高いIT関連企業がリードした市場








1.10月の株式式市場    

10月の株式市場は、米中の通商問題の懸念がったものの、大きく相場を動かしたはAI投資への期待が高いIT株で、月間で164ドルの上昇となりました。主要な動きは以下の通りでした。

101日:労働市場の減速を示す経済指標の発表を受けてFRBによる追加利下げ観測が高まり、株買いを支えて、43ドル高(0.09%増加)。                          

102日:FRBが追加利下げに踏み切るとの観測が引き続き相場の支えとなり、79ドル高(0.16%増加)。                                        

103日:FRBの追加利下げ観測や米株式相場の先高観が意識され、出欧れていたディフェンシブ株などが買われて、239ドル高(0.51%増加)。                      

106日:連日で最高値を更新した後で、景気敏感株や消費関連株の一角に利益確定や持ち高調整のの売りが出て、63ドル安(0.13%減少)。                        

107日:先週末に最高値を付けるなど短期的な過熱感が意識される中、ハイテク株の一部に利益確定の売りが出て、92ドル安(0.19%減少)。                       

108日:米連邦政府機関の一部閉鎖が長引く可能性がある中で、消費財関連の一角の下げが指数の重荷になり、1ドル安。                                

109日:株式相場の過熱感が意識される中、主力株に利益確定の売りが出て、243ドル安(0.52%減少)。                                     

1010日:中国政府がレアアースの輸出規制を打ち出したことで、トランプ大統領が過剰に反応して、対中関税の引き上げを示唆したことで、米中関係悪化への警戒が広がり、879ドル安(1.89%減少)。

1013日:先週末に強まった米中の貿易摩擦に対する警戒が一服し、主力株を買う動きが広がり、588ドル高(1.29%高)。                              

1014日:FRBのパウエル議長が量的引き締めの終了が近いことを示唆したことで、投資家心理が改善し、201ドル高(0.44%増加)。                           

1015日:米中貿易摩擦への懸念が強く、ダウ平均の重荷となり、17ドル安(0.03%減少)。   1016日:銀行業界の健全性を巡る懸念から金融株全般が売られ、相場の重荷となり、301ドル安(0.65%減少)。                                    

1017日:米地銀の信用不安を巡る警戒感が和らぎ、投資家のリスク回避姿勢が後退し、238ドル高(0.51%増加)。                                   

1020日:貿易問題を巡る米中の対立が緩和に向かうとの見方から、516ドル高(1.11%増加)。

1021日:四半期決算の発表を手掛かりとした買いが一部の銘柄に入り、218ドル高(0.46%増加)。                                         1022日:銀行業期の健全性を巡る懸念から金融界全体が売られ、相場の重荷となり、334ドル安(0.71%減少)。                                    

1023日:79月期決算の発表が本格化する中、業績が好調なハネウエルなどの銘柄に買いが入り、144ドル高(0.30%増加)。                             

1024日:同日朝に発表された9月の米消費者物価指数が前年同月比3%と市場予想を下回り、FRBが来週の会合で利下げを決めるとの見方が強まり、主力株に買いが入って、473ドル高(1.01%増加)。

1027日:米中対立が緩和に向かうとの期待から、ハイテク株を中心に主力株に買いが広がり、337ドル高(0.71%増加)。                               

1028日:米中貿易摩擦や米利下げ観測に加えて、エヌビディアなど個別に好材料のだた銘柄の買いが主要株価指数を押し上げて、162ドル高(0.34%増加)。               

1029日:FOMC会合後の記者会見で、パウエル議長が12月の利下げが既定路線ではないとの認識を示したことで、利下げ期待感が後退し、74ドル安(0.15%減少)。              

1030日:AI関連の投資拡大懸念からテック株が売られたことに加え、米中貿易交渉の結果が市場の期待に届かなったとの見方が重荷となり、110ドル安(0.23%減少)。          

1031日:前日に好調な四半期決算を発表したアマゾンが相場を支え、41ドル高(0.09%増加)。

 

2.8月の米消費者物価指数は前年同月比で2.9%上昇

米労働省が24 日に発表した9 月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率が8月の2.9%から3.0%に加速しましたが、市場予想の3.1%は下回りました。伸びはトランプ大統領が大規模な相互関税を公表した4月の2.3%から加速を続けています。輸入品の多い衣類や家具が値上がりするなど、企業が関税の支払い分を販売価格に転嫁する動きが続いています。

エネルギーと食品を除くコア指数も3.0%上昇しましtが、8月と同じく、3.1%との予想より下回りました。

FOMCの見方は分かれており、一部の理事は家賃や電気代を含めたサービス価格の伸びが3%半ばから鈍化しにくくなていいると警戒心を示しました。これに対し、関税の影響を除いた基調的なインフレ率はかなり低い水準で推移していると主張する理事もいます。

 

310月のFOMC会合

FOMC会合は1028-29日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。利用可能な指標は、経済活動が緩やかなペースになっていることを示唆している。雇用の伸びは今年減速し、失業率は上昇したものの依、8月まで低い水準にとどまっている。より最近の指標はこれらの動きと一いしている。インフレ率は年初から上昇し、やや高い水準で推移している。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払い、最近数カ月で雇用の下振れリスクが高まったと判断している。

目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き下げて、3.754.0%に据え置くことを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

FOMC121日をもって保有証券の削減を終了することを決定した。FOMCは雇用の最大化を支援し、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む10人のメンバーの賛成による。今回の決定にミラン理事は0.5 %の利下げを希望し、カンザスシティ連銀のシュミット総裁が金利の据え置きを望んで反対した。

今回のFOMCでは、0.25%の利下げを決めたものの、FOMC会合後の記者会見で、パウエル議長が12月の利下げが既定路線ではないとの認識を示したことで、利下げ期待感が後退し、74ドル安となりました。 

         (2025111日: 村方 清)

                                                  

  

Wednesday, October 1, 2025

利下げ期待が先行する米株式市場


 







1.9月の株式式市場     

9月の株式市場は、関税などによるインフレ率の上昇を懸念するFRBと雇用状態悪化を理由に株式市場の更なる上昇を求めるトランプ政権の対立が表面化、17日にFOMCが金利を下げたことで、上昇相場が続きました。主要な動きは以下の通りでした。

92日:米国の財政不安を背景に米長期金利が上昇し、株式の割高感が意識され、249ドル安(0.54%減少)。                                       

93日:米経済や財政を取り巻く不透明感から、景気敏感株などが売られて、25ドル安(0.05%減少)。                                          

94日:4日発表のADP全米雇用レポートで、非農業部門の雇用数は前月比54,000人増と市場予想の75,000人増を下回り、FRBの利下げ再開との観測から、350ドル高(0.77%増加)。      

95日:朝方発表の8月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比22,000人の増加で、市場予想の80,000人を大きく下回り、失業率も4.3%と前月の4.2%を上回ったことで、経済の先行き不透明感が強まったことで、主力株を中心に売りが広がり、220ドル安(0.48%減少)。     

98日:FRBが来週にも利下げをするとの観測が投資家心理を支えて、ハイテク株や消費関連株の一角に買いが入り、114ドル高(0.25%増加)。                        

99日:米雇用統計の年次改訂で労働市場の減速が示されたことを受け、市場ではFRBの利下げ観測が強まり、196ドル高(0.4%増加)。                         

910日:11日発表の8月の消費者物価指数を見きわめたい雰囲気が強い中、主力株の一部に利益確定の売りが出て、220ドル安(0.48%減少)。                       

911日:11日に発表された8月の米消費者物価指数が前年同月比2.9%の上昇で市場予想と一致したものの、来週のFRBの利下げを妨げるほどのものではないと受け止められて、617ドル高(1.35%増加)。                                     

912日:前日に大幅に上昇、最高値を更新した後で主力株に利益確定の売りが出て、274ドル安(0.59%減少)。                                     

915日:米中の貿易問題に関する閣僚会議の進展やFRBの利下げ観測の期待から、49ドル高(0.10%増加)。                                     

916日:117日のFOMCの結果を見極めたい雰囲気の中で、主力株の一部に持ち高調整の売りが出て、126ドル安(0.27%減少)。                             

917日:FRB17日のFOMC0.25%の利下げを決め、今後も利下げを継続する見通しを示したことで、景気敏感株や消費関連株に買いが入り、260ドル(0.56%増加)。            

918日:FRBが前日に利下げを再開したことで、引き続き相場の支えとなり、124ドル高(0.26%増加)。                                     

919日:FRBが利下げを続けることで米経済を支えるとの見方や米中首脳が電話で両国間の課題について対話を続けることを確認したことで、173ドル高(0.37%増加)。           

922日:前週末に続き、アップルやエヌビディアなどのハイテク株を中心に株式相場を牽引し、66ドル高(0.14%増加)。                                

923日:FRBのパウエル議長が株価がかなり高いことに関連して、追加の利下げに慎重な姿勢を示したとの見方から、ハイテク株などに利益確定の売りが出たことで、89ドル安(0.19%減少)。

924日:主要株価指数が過去最高圏で推移する中、ハイテク株を中心に利益確定売りが出て、172ドル安(0.37%減少)。                                

925日:25日発表の米経済指標が景気の底堅さを示したことで、FRBが利下げを急ぐ必要が薄れたとの観測から、売りが優勢で、174ドル安(0.38%減少)                  

926日:同日発表の8月の米個人消費支出物価指数が市場予想と一致する内容であったことで、年内の追加利下げを揺るがすものではないとの見方から、300ドル高(0.65%増加)。      

929日:米利下げ継続期待による買いが続き、69ドル高(0.14%増加)。          

930日:ファイザーなど製薬会社とトランプ政権の薬価引き下げの合意の動きが続いていることで、82ドル高(0.18%増加)。

  

2.米国の雇用状況

米労働省が5日に発表した8月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比22,000人で、市場予想の80,000人を大きく下回りました。6月の雇用者数の確定値はマイナス13,000人で27,000人の減少、7月の改定値は79,000人で、6,000人の増加でした。7テ氏関税の領が月の失業率は4.3%で、前月より0.1%悪化しました。労働参加率は62.3%で、前月より0.1%増加しました。8月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で10セント増加しました。部門別ではヘルスケア部門が31,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が16,000人の増加でしたが、政府部門は15,000人の減少、卸売部門が12,000人の減少、製造業が12,000人の減少となりました。

 

3.  8月の米消費者物価指数は前年同月比で2.9%上昇

米労働省が11日に発表した8月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率が7月の2.7%から2.9%に加速しました。食品は前月比で0.5%値上がりし、およそ2年半ぶりの高い伸び率になりました。トランプ政権は一部品目に関税を免除するなどの対応に追われています。

CPIはおおむね予想通りの結果となり来週1617日のFOMC会合で利下げ再開を確信させる内容と受け止められています。物価上昇率の水準は高いものの、FRBの関心はやや雇用情勢の悪化リスクへの対応に重心を置きつつあります。

 

49月のFOMC会合

FOMC会合916-17日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました最近の指標は、経済活動の伸びが緩やかになっていることを示唆している。雇用の伸びは減速し、失業率は小幅に上昇したものの依然として低水準にある。インフレ率は上昇、やや高い水準で推移している。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払ってい、雇用の下振れリスクが高まったと判断している。

目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き下げて、44.25%に据え置くことを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

FOMCは、国債、住宅ローン担保証券の保有額を引き続き削減する。FOMCは雇用の最大化を支援し、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む11人のメンバーの賛成による。ミラン理事は0.5 %の利下げを希望し、反対票を投じた。

今回のFOMCでは、0.25%の利下げを決めると同時に、今後も利下げを継続する見通しを示したことで、景気敏感株や消費関連株に買いが入り、ダウ平均は260ドル高となりました。但し、ナスダックとSP500の平均は73ドル安と6ドル安になりました。

           2025101日: 村方 清