1.1月の株式式市場
1月の株式市場は1月半ばまでは利下げ期待の相場が続いたが、27-28日に開催したFOMCで据え置きが決定したことやFRB新議長に金融緩和に消極的なウォーシュ元理事が決まったことで、利下げ見通しの不透明感が増しました。主要な動きは以下の通りでした。
1月2日:前営業日までの4日間に600ドル以上下落していたこともあり、主力株に買い直す動きがあり、319ドル高(0.66%ぞうか)。
1月5日:トランプ大統領のベネズエラへの大規模攻撃による石油インフラ修復の思惑から、石油関連株に買いが入り、595ドル高(1.22%増加)。
1月6日:ディフェンシブ株が買われたほか、アマゾンなどのAI関連銘柄が物色され、485ドル高(0.99%増加)。
1月7日:連日で最高値を更新した後で、高値警戒感から景気敏感株などに持ち高調整の売りが優勢で、466ドル安(0.94%減少)。
1月8日:8日発表の週間の新規失業保険申請件数が208,000件と市場予想を下回ったことで、米景気の底堅さを示したとして、270ドル高(0.55%増加)。
1月9日:同日発表の2025年12月の米雇用統計が前月比50,000人増え、市場予想を下回ったものの、平均時給の上昇率が前月比3.8%で、市場予想を上回り、米労働市場の底堅さを示したことで、景気敏感株を中心に買いが入り、238ドル高(0.48%増加)。
1月12日:トランプ政権によるFRBの独立性への懸念が高まる中で、半導体関連など一部のハイテク株に買いが入り、86ドル高(0.17%増加)。
1月13日:イラン情勢の悪化と言った地政学リスクの警戒感と利益確定や持ち高調整の売りが優勢で、398ドル安(0.80%減少)。
1月14日:複数の地政学リスクを巡る不透明感と四半期決算を発表した銀行株に売りが出て、42ドル安(0.08%減少)。
1月15日:四半期決算を発表した金融株に買いが入り、292ドル高(0.59%増加)。
1月16日:FRBの次期議長人事を巡る不透明感が増したことで米長期金利が上昇、相場の重荷となり、83ドル安(0.16%減少)。
1月20日:デンマーク自治領のグリーンランドを巡って米欧の対立が深まることが予想され、米国株の売りが広がり、871ドル安(1.76%増加)。
1月21日:米国によるデンマーク領グリーンランドの取得を巡って、トランプ大統領が欧州への追加関税を見送る考えを示したことで、米欧対立の懸念が後退し、買いが広がり、589ドル高(1.21%増加)。
1月22日:デンマーク領グリーンランドを巡る米欧摩擦の懸念がひとまず薄れたこと及び米国の新規失業申請件数が市場予想を下回ったことなどで、307ドル高(0.62%増加)。
1月23日:トランプ大統領がデバンキングを理由にJPモルガンのCEOを提訴したことを受けて、金融株を中心に売りが出たことや四半期決算を発表したインテルが急落したことで、285ドル安(0.57%減少)。
1月26日:アップルなど大手ハイテク株を中心に買いが入り、314ドル高(0.63%増加)。
1月27日:27日に四半期決算を発表したユナイテッドヘルス・グループが急落し、指数を大幅に下げ、409ドル安(0.82%減少)。
1月28日:FRBは28日まで開いたFOMCで4回合振りに政策金利を据え置いたが、予想通りとの受け止めが強く、相場の方向感は出ず、12ドル高(0.02%増加)。
1月29日:28日夕発表の四半期決算が市場予想を上回ったIBMに買いが入り、56ドル高(0.11%増加)。
1月30日:トランプ大統領が新議長にウォーシュ元FRB理事を指名したが、新議長の下では市場の想定ほど利下げが進まないとの見方から、179ドル安(0.36%減少)。
2.米国の雇用状況
米労働省が9日に発表した12月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比50,000人 で、市場予想の50,000から70,000人を上回りました。10月の雇用者数の確定値は173,000人で、18,000人の増加、11月の改定値は56,000人で、8,000人の減少でした。12月の失業率は4.4%で、前月より低下しました。労働参加率は62.4%で、前月より0.1%減少しました。12月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で12セント増加しました。部門別では飲食業部門が27,000人の増加、ヘルスケア部門が21,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が17,000人の増加であったものの、小売業部門は25,000人の減少となりました。
3. 12月の米消費者物価指数は前年同月比で2.7%上昇
米労働省が13日に発表した12月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率は2.7%で、市場予想を下回りました。エネルギーと食品を除くコア指数では伸び率が2.6%で、市場予想を下回りました。物価上昇率の安定が見通せるようになれば、FRBへの利下げ圧力が強まります。ただし、FRBの金融政策に加わる地区連銀の総裁等の中には、物価上昇率が目標を上回り続ける中での利下げに慎重な‘声が少なくないのも状況です。
3.1月のFOMC会合
FOMC会合は1月27-28日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。利用可能な指標は、経済活動が着実なペースになっていることを示唆している。雇用の伸びは鈍いままで、失業率は安定の兆しを示している。インフレ率はやや高い水準で推移している。
FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMCは2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払っている。
目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.5-3.75%で維持することを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。
金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。
FOMCは準備預金残高が十分な水準まで減少したと判断し、準備金を恒常的に十分な水準に維持するために、必要に応じて短期国債の購入を開始する。
決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む10人のメンバーの賛成による。今回の決定にミラン理事とウォーラー理事が0.25%の利下げを求めて反対した。
今回のFOMCの決定はほぼ想定通りとの受け止があり、相場の反応は限られました。
今回のFOMCでは、市場の予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決めました。利下げの恩恵を受けるとの期待で消費関連や景気敏感株、金融株の上昇が目立ち、497ドル高(1.04%増加)となりました。
(村方 清 2026年2月1日)

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