1.7月の株式市場
7月の株式市場は6月下旬の米国とイランの戦闘終結合意にもかかわらず、双方による攻撃が止まらず、加えて米長期金利の上昇もあり、不安定な動きとなりました。主要な動きは以下の通りでした。
7月1日:人工知能、半導体関連株が大幅安となり、投資家心理の重荷となり、14ドル安(0.02%減少)。
7月2日:6月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比57,000人増と市場予想を大幅に下回り、FRBの早期利上げ観測が後退、消費関連や景気敏感株を中心に買いが入り、595ドル高(1.13%増加)。
7月6日:前週に売うられたた反半導体関連株を買い直す動きが広がり、156ドル高(0.29%増加)。
7月7日:AIや半導体関連株が下落し、米原油先物相場がが上昇したことで、主力株のへの売り圧力となり、131ドル安(0.24%減少)。
7月8日:中央情勢をを巡る不透明感から原油先物が高騰、投資家心理が手弱気に傾き、577ドル安(1.08%減少)。
7月9日:米国がイランへの追加攻撃を終了し、原油相場が下落したこことが投資家心理がを支えて、139.02ドル(0.27%増加)。
7月10日:イランとの協議継続の同意に加えて、SKハイニックスの米市場上場の動きがあり、149ドル高(0.29%増加)。
7月13日:ホルムズ海峡に通航をを巡る不透明感から米原油先物が上昇し、株式相場の重荷となり、加えて半導体関連にも売りが出て、138ドル安(0.26%減少)。
7月14日:6月の米消費者物価数がぜ年同月比3.5%上昇で市場予想を下回り、早期の利上げ観測が後退し、株式に買いが入り、10ドル高(0.02%増加)。 7月15日:6月の米PPIは前月比0.3%低下し、市場予想を下回り、FRBによる早期の利上げ観測が一段と後退して、150ドル高(0.28%増加)。
7月16日:半導体やAI銘柄の一部に売りが広がり、相場の重荷となったことで、105ドル安(0.20%減少)。
7月17日:米中のAI開発競争が激化するとの警戒から、巨大ハイテク株の一角が下げ、407ドル安(0.77%減少)。
7月20日:米国とイランの対立激化やエネルギー価格の高止まりへの懸念が重荷となり、307ドル安(0.58%減少)。
7月21日:半導体関連の株を買い戻す動きが広がり、385ドル高(0.74%増加)。
7月22日:イラン情勢をめぐる不透明感が根強く、インフレ懸念が株価の重荷となり、6ドル安(0.01%減少)。
7月23日:アルファベットなど決算を発表した主力ハイテク銘柄が大幅に下げたことに加え、中東情勢の悪化懸念や原油高などで投資家心理の重荷となり、主力株に売りが広がり、507ドル安(0.97%減少)。
7月24日:米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が再開するとの期待から、主力株に買いが入り、236ドル高(0.45%増加)。
7月27日:米国とイランによる攻撃の応酬が一服したことで、投資家の運用リスクを取る姿勢が強まり、263ドル高(0.50%増加)。
7月28日:コカコーラなど市場予想を上回る決算を発表した銘柄を中心に買いが入り、537ドル高(1.02%増加)。
7月29日:FRBは29日まで開いたFOMCで5回合連続で政策金利を据え置いたが、利上げに動かず、インフレ抑制で後手に回リスクが意識され、1153ドル安(2.2%減少)。
7月30日:29日に決算を発表したマイクロソフトが大幅に上げ、下げが続いていた半導体関連にも買いが入り、614ドル高(1.18%増加)。
7月31日:前日に四半期決算を発表したアマゾンが大幅高になり、他のハイテク株大手にも買いが入り、277ドル高(0.53%増加)。月間でダウ平均は165ドル高であったが、ナスダックは2カ月連続で、7月は3.2%と3月以来の大きさとなった。
2.米国の雇用状況
米労働省が7月2日に発表した5月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比57,000人の増加で、市場予想の100,000-115,000人の増加を大きく下回りました。4月の雇用者数の確定値は148,000人で、31,000人の減少、5月の改定値は129,000人で、43,000人の減少でした。5月の失業率は4.2%で、前月より0.1%下がりました。労働参加率は61.5%で、前月より0.3%下がりました。5月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で13セント増加しました。部門別では専門・ビジネスサービス業が36,0000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が25,000人の増加、ヘルスケア業が25,000人でした。その一方、レジャー・観光業は61,000人の減少となりました。
3.FOMCの6月議事要旨
FRBは7月8日、6月16-17日に開いたFOMCの議事要旨を公表しました。議事要旨によると、多くの委員が中東情勢を受けたエネルギー高の他、AI関連の投資拡大やトランプ関税の影響で物価上昇率が高水準で推移するとの見通しを示しました。その場合、インフレ率を2%に戻すための金融引き締めが必要になると言及しました。
なお、米イランの緊張は再び強まる恐れがでてきました。米国は7日、イランがホルムズ海峡を航行中の商戦を攻撃した報復措置として、イランの軍事施設を再攻撃し制裁緩和を撤回しました。原油価格が再び上昇トレンドに入れば、ガソリン価格の高騰などを通じて物価を追い上げる要因になります。FRBは7月28-29日に次回FOMCを開き、最新の経済・物価情勢を議論する予定です。
4.米消費者物価数(CPI)は6月3.5%上昇
米労働省が14日に発表した6月の消費者物価数はぜ年度月比3.5%上昇で、5月の4.2%から縮まり、市場予想の3.8%も下回りました。エネルギーと食品を除くコア指数がぜ年同月比2.6%上昇し、5月の2.9%から縮小しました。
CPIの前年同月比上昇率は5月と比べて縮小したが、なお高い水準です。また、FRBのウォーシュ議長はここ数週間でインフレリスクは低下したと言及しましたが、最近ではホルムズ海峡を巡る米国とイランの対立が激しさを増して米国内ではインフレへの警戒が再び高まっています。
5.7月のFOMC会合
FOMC会合は7月28-29日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。FOMCは9対3の賛成多数で、以下の声明の公表を承認しました。
FOMCは連邦準備制度の2つの責務を支持するため、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジを3.5-3.75%に維持することを決定した。FOMCは銀行システムにおける十分な準備預金の維持という方針を継続する。
中東紛争に起因する不確実性の高まりにかかわらず、経済活動は堅調に拡大している。生産性の伸びと設備投資は力強く、雇用の増加は労働力人口の増加に追いついており、失業率もほとんど変化していない。
インフレ率はFOMCの目標とする2%に対して依然として高い水準にある。これはエネルギーを含む一部のセクターの価格上昇を引き起こした供給ショックを部分的に反映したものである。FOMCは物価安定を実現する。
反対票を投じたのは、クリーブランド連銀のハマック総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、ダラス連銀のローガン総裁で、彼ら今回の会合でFF金利の目標レンジを0.25ポイント引き下げることを望んだ。
FRBは28日まで開いたFOMCで市場の予想通り政策金利を5回合連続で据え置きました。FOMCの採決では3人の地区連銀総裁が利上げを主張し、据え置きに反対しました。ウォーシュ議長は記者会見で「必要かつ適切な場合にはためらわずに行動する」と述べましたが、政策運営の方向については明確な発言を避けました。これにより、金融政策を巡る不透明感が払えず、株式の売りが膨らむ結果となりました。
(2026年8月1日:村方 清)


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