1.12月の株式式市場
12月の株式市場は、12月10日のFOMC会合での利下げ決定まで株価の上昇基調がが続いたものの、それ以降はAI過剰投資への警戒感も強まり、不安定な動きとなりました。主要な動きは以下の通りでした。
12月1日:前週末の5営業日で2000ドル近く上昇していたため、利益確定や持ち高調整の売りが優勢で、427ドル安(0.98%減少)。
12月2日:暗号資産のビットコインへの売りが一服し、投資家心理が回復したことやハイテク株へへの買いも支えとなり、185ドル高(0.39%増加)。
12月3日:同日発表の米雇用指標が市場予想を下回り、FRBによる利下げが意識されて、消生じ関連材に買いが入り、408ドル高(0.86%増加)。
12月4日:11月中旬につけた過去最高値に近づいており、利益確定の売りが出て32ドル安(0.06%減少)。
12月5日:同日発表の12月の米消費者態度指数が53.3だったことや9月の米個人消消費支出物価指数が前月比で0.3%上昇と市場予想と一致したことで、FRBの追加利下げを妨げないいとの見方から、104ドル高(0.21%増加)。
12月8日:最高値が近づく中で、9-10日のFOMCの結果公表を前に持ち高調整の売りがが優勢となり、消費者関連株の一角に下げが起きて、216ドル安(0.44%減少)。
12月9日:FOMCの結果公表を10日に控えて、様子見の雰囲気が強く、高値警戒感ももくすぶり、179ドル安(0.37%減少)。
12月10日:FRBは10日まで開いたFOMCで市場の予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決め、同時に短期国債を購入する方針を決めたことで、ダウは498ドル高(1.04%増加)。
12月11日:FRBの利下げが景気を支えるとの見方が株買いを促し、646ドル高(1.34%増加)。
12月12日:人口知能(AI)投資を巡る不透明感が投資家心理の重荷となり、ブロードコムやオラクルなどのハイテク株が大きく下落したことで、246ドル安(0.50%減少)。
12月15日:最高値圏にある中、ハイテク株の一角に売りが出て、41ドル安(0.08%減少)。
12月16日:同日発表の11月の雇用統計や10月の米小売売上高は強弱が入り乱れる内容となり、先行きの雇用や金融政策を巡る不透明感が意識され、302ドル安(0.62%減少)。
12月17日:AI関連の巨額投資に対する先行き不透明感からオラクルが大幅安となり、他のハイテク株にも売りが波及し、228ドル安(0.47%減少)。
12月18日:同日発表の11月のCPIが前年同期比の上昇率が2.7%となり、エネルギー・食品を除くコア指数も2.6%の上昇で、いずれも市場予想を下回ったことで、米利下げ観測が意識され、66ドル高(0.13%増加)。
12月19日:AIを巡る不透明感がいったん晴れたことで、ハイテク株を買い直す動きがあり、相場を押し上げ、183ドル高(0.38%増加)。
12月22日:主力のハイテク株が持ち直し、投資家が運用リスクを高める姿勢を強めて、228ドル高(0.47%増加)。
12月23日:ハイテク株や景気敏感株の一角に買いが入り指数を支え、79ドル高(0.16%増加)。
12月24日:年末は株価が上昇しやすい時期とされ、ディフェンシブや景気敏感、消費関連などを中心に買いが入り、289ドル高(0.60%増加)。
12月26日:24日に最高値を付けた後で、利益確定の売りが優勢で、20ドル安(0.04%減少)。 12月29日:米株式相場が最高値圏で推移する中で、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが優勢で249ドル安(0.51%減少)。
12月30日:年末で市場参加者が少ない中で、景気敏感株などに持ち高調整の売りが出て、95ドル安(0.19%減少)。
12月31日:年末で新たな買いの動きが乏しいことや週間の米失業保険申請件数が199,000件と市場予想の220,000件を下回ったことで、利下げへの不透明感が出たことなどで、304ドル安(0.62%減少)。なお、ダウは3年連続で上昇し、2025年は前年比12.97%の増加。
2.米国の雇用状況
米労働省が16日に発表した11月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比64,000人で、市場予想の40,000から50,000人を上回りました。8月の雇用者数の確定値はマイナス24,000人で、22,000人の減少、9月の改定値はマイナス108,000人で、11,000人の減少でした。9月の失業率は4.6%で、前月より0.2%悪化しました。労働参加率は62.5%で、前月より0.1%増加しました。8月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で9セント増加しました。部門別ではヘルスケア部門が46,000人の増加、建設業部門が28,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が18,000人の増加、運輸・倉庫部門は18,000人の増加となりました。
3.12月のFOMC会合
FOMC会合は12月9-10日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。利用可能な指標は、経済活動が緩やかなペースになっていることを示唆している。雇用の伸びは今年減速し、失業率は9月までにやや上昇した。より最近の指標もこれらの動きと一致している。インフレ率は年初から上昇し、やや高い水準で推移している。
FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMCは2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払い、最近数カ月で雇用の下振れリスクが高まったと判断している。
目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き下げて3.5%〜3.75とすることを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。
金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。
FOMCは準備預金残高が十分な水準まで減少したと判断し、準備金を恒常的に十分な水準に維持するために、必要に応じて短期国債の購入を開始する。
決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む9人のメンバーの賛成による。今回の決定にミラン理事は0.5
%の利下げを希望し、シカゴ連銀のグールズビー総裁とカンザスシティ連銀のシュミット総裁が金利の据え置きを望んで反対した。
今回のFOMCでは、市場の予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決めました。利下げの恩恵を受けるとの期待で消費関連や景気敏感株、金融株の上昇が目立ち、497ドル高(1.04%増加)となりました。
2026年1月1日: 村方 清
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