1.6月の株式市場
6月2日:ハイテク株の一部に買いが入った他、貿易交渉の進展期待が投資家の支えとなり、35ドル高(0.08%増加)。
6月3日:米企業による人口知能開発の加速が意識されて、半導体を中心に買いが入り、214ドル高(0.50%増加)。
6月4日:トランプ政権の高い関税が米景気に悪影響を及ぼすとの懸念を強める経済指標の発表を受け、92ドル安(0.21%減少)。
6月5日:トランプ大統領とテスラのCEOのマスク氏の関係悪化が表面化したことで、テスラ株が急落し、投資家心理が悪化、108ドル安(0.25%減少)。
6月6日:朝方発表の5月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比139,000人の増加で、市場予想の125,000人を上回り、平均時給も前月比0.4%上昇で市場予想の0.3%を上回り、主力株を中心に買いが入り、443ドル高(1.04%増加)。
6月9日:このところの株高で高値警戒感が意識され、取引終盤に小幅な下落に転じて1ドル安。
6月10日:半導体やハイテク株の一部が買われて投資家心理を支え、105ドル高(0.25%増加)。
6月11日:このところ上昇していたハイテク株の一角に利益確定売りが出て、1ドル安。
6月12日:11日夕にオラクルが発表した決算や見通しがAI需要の強さを示し、ハイテク株や半導体株の一角に買いが入り、102ドル高(0.23%増加)。
6月13日:イスラエルとイランを巡る中東情勢の緊迫化を受けて、リスク回避の株売りが優勢で、770ドル安(1.79%減少)。
6月16日:イスラエルとの軍事衝突を巡り、イランが事態の沈静化に動き始めたとの報道から、原油先物相場が下落し、投資家心理が改善して、317ドル高(0.75%増加)。
6月17日:核開発問題を巡るイスラエルとイランの軍事衝突や米政府の関与を巡って緊張が高まり、投資家のリスク回避姿勢が強まり、299ドル安(0.70%減少)。
6月18日:FRBは18日まで開いたFOMC会合で政策金利を据え置き、パウエル議長も利下げを急がない姿勢を改めて示し、主力株の一角に売りが優勢となって、44ドル安(0.10%減少)。
6月20日:イスラエルとイランの軍事衝突を巡り、外交努力による仲介が進んでいることが支えとなり、35ドル高(0.08%増加)。
6月23日:米国による核施設への攻撃を受けたいrンの報復が限定的なものに留まっているところから、米げにゅ先物相場が急落し、投資家心理を支えて、375ドル高(0.88%増加)。
6月24日:イスラエルとイランの停戦合意を受けて投資家心理が大幅に改善したため、585ドル高(1.37%増加)。
6月25日:前日に主要株価指数がそろって大幅高となった後で、短期的な持ち高調整の売りが優勢となり、107ドル安(0.24%安)。
6月26日:中東情勢を巡る懸念が後退したことで投資家心理が改善し、主力株への買いを支えた。人工知能(AI)関連の銘柄の上昇が続いたことで、404ドル高(0.94%増加)。
6月27日:政府が通商交渉の合意に向けた進展に楽観的見解を示したことで、株式市場は続伸し、432ドル高(1.02%増加)。
6月30日:米国とカナダの貿易交渉が進展するとの期待から、投資家心理が改善。景気敏感など出遅れ感のあった銘柄にも買いが広がり、相場上昇を支え、276ドル高(0.62%増加)。月額で1824ドル高で、2カ月連続。
2.米国の雇用状況
米労働省が6日に発表した5月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比139,000人で、市場予想の125,000人を上回りました。3月の雇用者数の確定値は120,000人で65,000人の減少、4月の改定値は147,000人で、30,000人の減少でした。5月の失業率は4.2%で、前月と同じでた。労働参加率は62.4%で、前月より0.2%減少しました。3月の時間当たり賃金上昇率は前月比で15セント増加しました。部門別ではヘルスケア門が62,000人の増加、レジャー・ホテル部門が48,000人、ソーシャル・アシスタンス部門が16,000人の増加、政府部門が22,000人の減少となりました。
3. 米消費者物価指数は5月2.4%上昇
米労働省が11日に公表した5月の消費者物価指数は前月同月比の上昇率が2.4%となり、市場予想を下回って鈍化しました。エネルギーと食品を除くコア指数では2.8%上昇しました。伸びは4月と同じで、市場予想の2.9%を下回りました。
トランプ政権は2月から中国製品への関税を順次引き上げました。4月には大規模な相互関税を公表し、10%の基本税率を5日から適用しました。同月3日には25%の自動車関税も発動しました。
FRBは相次ぐトランプ政権の関税政策と物価への影響を見極めるために、当面は利下げを見送る方針で、17-18日に開くFOMCでも政策金利の据え置きが確実視されています。
4.6月のFOMC会合
FOMC会合6月17-18日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。純輸出の振れがデータに影響を及ぼしたものの、最近の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大し続けていることを示唆している。失業率は低水準に留まり、労働市場の状況は堅調なままである。インフレ率はいくぶん高止まりしている。
FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する府果実性はお一時より減少したものの、依然として高い水準にある。FOMCは2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払っている。
この目標を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを4.25〜4.5%に据え置くことを決めた。FF金利の目標レンジの調整を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。
FOMCは、国債、住宅ローン担保証券の保有額を引き続き削減する。。FOMCは雇用の最大化を支援し、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。
金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。
決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む12人のメンバーの賛成による。
トランプ政権の関税政策はなお流動的で、FRBは依然として様子見の姿勢を崩していません。同時に公表した経済も通しでは、年内の利下げ予想を前回3月時点と同じ2回にしました。FRBが利下げを急がない姿勢を姿勢を改めて示したことで、主力株の一部に売りが優勢で、44ドル安(0.10%減少)となりました。
(2025年7月3日:村方 清)
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