Saturday, February 1, 2025

トランプ第2政権の新たな政策への期待と懸念









1.1月の株式市場

1月の株式市場は120日に就任したトランプ第2政権の新たな政策への期待と懸念が混在、不安定な動きとなりました。主要な動きは以下の通りでした。

12日:中国市場で新型スマートフォンを値下げすると発表したアップルが2.6%下落するなど、ハイテク株銘柄の売りが優勢で、152ドル安(0.35%減少)。

13日:前日までの4営業日で930ドル余り減少した後で、アメリカンエクスプレスなど主力株の一部に自律反発を期待した買いが広がり、340ドル高(0.80%増加)。

16日:120日に就任するトランプ氏の貿易政策を巡り、輸入品に対する一率の関税引き上げを限定するとの案を検討しているとの見方をトランプ氏が否定したことで、政策の不確実性が意識されたことや米長期金利が高止まりしたことで、株売りが進み、26ドル安(0.05%減少)。

17日:7日発表の2411月の雇用動態調査で、非農業部門の求人件数は810万人で、前月から259千人増え、市場予想の770万人を上回り、2412月の非製造業景況感指数も54.1と前月から2.0ポイント上回ったことで、米長期金利が上昇し、ハイテク株を中心に売りが広がり、178ドル安(0.4%減少)。

18日:米長期金利が一時8カ月ぶりの水準に上昇したが、金利水準の低下に伴い、相場が持ち直し、107ドル高(0.25%増加)。

110日:日発表の12月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比256,000人増で、市場予想の155,000人を大きく上回り、FRBが利下げペースを鈍化するとの見方が強まり697ドル安(1.63%減少)。

113日:10日の株価急落を受けて自立反発狙いの買いが入り、相場を支えたほか、米銀決算を前に好決算を期待した買いが進んで、359ドル高(0.86%増加)。

114日:米労働省が発表した12月の米卸売物価指数は全月比0.2%上昇で、市場予測の0.4%を下回り、FRB利下げペースが鈍化するとの過度な警戒感が後退し、221ドル高(0.5%増加)。

115日:同日朝発表の2412月の米消費者物価指数でエネルギーと食品を除くコア指数の上昇率が前月比で0.2%と2411月から減速し、市場予想の0.3%を下回ったことで、FRBの追加利下げが遅れるとの過度な懸念が後退し、四半期決算を発表した大手金融株も上昇して、703ドル高(1.65%増加)。

116日:前日までの3営業日で1200ドル余り上げた後で、短期的な過熱感が意識され、アップルなど主力株にも売りが出て、68ドル安(0.15%減少)。

117日:17日発表の2412且の米住宅着工件数が前月比で15.8%増と市場予想の3.2%を上回ったことや12がつの米鉱工業生産も前月比で0.9%増と市場予想の0.2%増を上回り、米経済が底堅さを保っているとの見方から、335ドル高(0.77%増加)。

121日:トランプ大統領の就任当日の大統領令に関税の強化が含まれず自動車株が上昇した半面、エネルギー生産の拡大で需給が緩むとの思惑から石油株が下がるなど、明暗が分かれて、537ドル高(1.2%増加)。

122日:トランプ大統領が人口知能(AI)開発に向けて巨額の投資計画を発表したのを受け、成長期待から関連銘柄に買いが出て、131ドル高(0.29%増加)。

123日:前日に下げていた景気敏感株やディフェンシブ株の一角に買いが入り、指数を押し上げ、408ドル高(0.92%増加)。

124日:前日までの4営業日で1400ドル余り上昇していたことで、週末を控えて主力株の一角に利益確定や持ち高調整の売りが出て、141ドル安(0.31%減少)。

127日:中国企業が開発したAIの台頭で米国のAI産業が脅威になるとの懸念から半導体関連やAI関連株が大きく売られた反面、ディフェンシブ株を中心に買いが入り、指数を押し上げて、289ドル高(0.65%増加)。

128日:米国のAIへの不透明感から前日に急落したエヌビディアが反発した他、ハイテク株が幅広く物色され、137ドル高(0.30%増加)。

129日:FRB29日まで開いたFOMC会合で、政策金利を据え置いたことで、利下げに慎重との見方から、株売りが優勢で、137ドル安(0.30%減少)。

130日:IBMなど一部の主力株の決算を好感した買いが集まり、指数を押し上げ、169ドル高(0.37%増加)。

1月31日:米政権が2月からカナダやメキシコなどに対して新たな関税を課すと改めて伝わり、米経済やインフレへの影響を懸念した売りが優勢で、337ドル安(0.75%減少)。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が110日に発表した12 月の雇用統計によれば、非農業部門の雇用者数は前月比256,000人の増加で、市場予想の155,000人を大きく上回りました。10月の雇用者数の確定値は43,000人で7,000人の増加、11月の改定値は212,000人で、50,000人の減少でした。12月の失業率は4.1%で、前月より0.1%低下しました。労働参加率は62.5%で、前月と同じ水準でした。11月の時間当たり賃金上昇率は前月比で10セント増加しました。部門別ではヘルスケア門が46,000人の増加、小売り業部門が43,000人の増加、政府部門が33,000人の増加、ソーシャル・アシスタンスタス部門が23,000人の増加となりまsた。

 

3.米消費者物価指数は122.9%上昇、3カ月連続で加速

米労働省が15日公表した12月の米消費者物価指数は前年同月比で2.9%の上昇で、市場予想の2.8%を少し上回りました。エネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比で3.2%の上昇で、これは市場予想をやや下回りました。14日発表の2412月の米卸売物価指数も市場予想を下回っており、FRBが追加利下げが遅れるとの過度な懸念が後退し、ダウ平均は703ドルの上昇となりました。

物価の軟化基調は見られるものの、次期のトランプは関税の引き上げを公約にしており、輸入物価のを通じた高インフレの再燃につながる可能性があります。

 

4.1月のFOMC会合

FOMC会合が128-29日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました最近の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大し続けていることを示唆している。失業率はここ数カ月、低水準で安定しており、労働市場の状況は堅調なままである。インフレ率はいくぶん高止まりしている。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。FOMCは雇用とインフレの目標達成に対するリスクは、おおぬね均衡していると判断している。経済の見通しは不透明であり、FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払っている。

この目標を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを4.254.5%に据え置くことを決めた。FF金利の目標レンジの調整を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

FOMCは、国債、住宅ローン担保証券の保有額を引き続き削減する。FOMCは雇用の最大化を支援し、、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む12人のメンバーの賛成による。

今回のFOMCによる金利据え置きは、織り込み済みであったものの、今後の利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止め方から、株売りが優勢で、137ドル安(0.30%減少)となりました。

     (202521日: 村方 清)

Wednesday, January 1, 2025

長期金利の上昇で不安定性が高まる株式市場







1.12月の株式市場

12月の株式市場はFRB1218に利下げを決定したものの、トランプ次期政権の経済運営によるインフレ懸念から長期金利が上昇、株式市場の不安定性が高まりました。主要な動きは以下の通りでした。

122日:前週末にダウ平均が最高値を更新した後で、短期的な過熱感や高値警戒感が意識されたものの、129ドル高(0.28%増加)。

123日:短期的な相場の過熱感や高値警戒感が、重荷となり買い手控えk76ドル安(0.17%減少)。

124日:米サプライマネジメント協会が4日に発表した11月の非米製造業の景況感指数は52.1と前月から3.9ポイント低下、3カ月ぶりの低水準となり、FRB12月のFOMCで利下げを実施する観測が高またことで、309ドル高(0.69%増加)。

125日:6日に米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強かったが、前日に最高値を更新したことで、利益確定売りも出て、248ドル安(0.6%減少)。

126日:日発表の11月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比227,000人増で、市場予想の214,000人を上回ったが、12月の利下げを見送るほどではないと受け止められたものの、過去最高値を更新した後で景気敏感株やディフェンシブ株に売りが出て、123ドル安(0.27%減少)。

129日:主要株価指数の最高値更新が続いて相場の過熱感が強まる中、ハイテク株の一角に利益確定の売りが出て、241ドル安(0.53%減少)。

1210日:米債券市場で長期金利が4.2%台前半と前日より水準を切り上げたために、株式の素体的な割高感が意識されて、154ドル安(0.34%減少)。

1211日:朝方発表の11月の米消費者物価指数は前月比で0.3%、前年同月比で2.7%の上昇となり、市場予想に一致したが、ディフェンシブ株は売られ、99ドル安(0.22%減少)。

1212日:このところ上昇が目立っていたハイテク株の一角に利益確定の売りが出て、234ドル安(0.53%減少)。

1213日:米債券市場で長期金利が上昇し、一時前日比0.07%高い4.40%を付けたことから、ハイテク株の一角を中心に売りが出て、86ドル安(0.19%減)。

1216日:ディフェンス株の一角に売りが出て、102ドル安(0.25%減少)。

1217日:米長期金利の高止まりが株の割高感を高めて、ハイテク株を中心に売りが進んで、268ドル安(0.6%減少)。9日連続の下落は19782月以降、4610カ月ぶりとなる。

1218日:FRB18日まで開いたFOMC会合で、0.25%の利下げを決めたが、2025年は利下げペースが鈍化することを示したため、金利高止まりへの警戒感から売りが広がり、1123ドル安(2.58%減少)。

1219日:FRBが追加利下げに慎重になるとの見方の広がりと米政府機関の一部閉鎖のリスクが意識され、15ドル高(0.03%増加)。

1220日:20日発表の11月の米個人消費支出物価指数は前年同月比で2.4%上昇し、市場予想の2.5%を下回ったことで、FRBの利下げペースが鈍化するとの過度な懸念が後退し、主力株に買いが集まり、498ドル高(1.17%増加)。

1223日:12且の米消費者信頼感指数は前月に比べて8.1ポイント低い104.7で、市場予想を下回り、ダウの下落幅は一時300ドルを超えたが、その後、半導体などハイテク株オ一角に買いが入り、67ドル高(0.15%増加)。

1224日:前週までの3週間で2000ドル余り下落していたことから、主力株の一部に買いが入り、391ドル高(0.91%増加)。

1226日:米長期金利の上昇が一服し、米株式相場の下値を支えて、29ドル高(0.07%増加)。

1227日:米長期金利が上昇、株式の相対的な割高感が強まり、ハイテク関連を中心に利益確定や持ち高調整の売りが広がり、334ドル安(0.76%減少)。

1230日:年末を控えて主力株に利益確定の売りが出たものの、米経済の減速を示す内容の経済指標から来年からFRBの追加利下げへ動きやすくなるとの見方も出て、株式相場を下支えして、418ドル安(0.97%減少)。

1231日:米債券市場で長期金利が前日比0.04%高い4.57%で終えて、株式の相対的な割高感が意識され。FRBも来年の利下げペースを緩やかにする見通しで、相場の重荷となり、30ドル安(0.06%減少)。ダウは昨年末比で約13%上昇。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が121日に発表した11 月の雇用統計によれば、非農業部門の雇用者数は前月比227,000人の増加で、市場予想の214,000人を上回りました。9月の雇用者数の確定値は255,000人で32,000人の増加、10月の改定値は36,000人で、24,000人の増加でした。11月の失業率は4.2%で、前月より0.1%上昇しました。労働参加率は62.5%で、前月より0.1%低下しました。11月の時間当たり賃金上昇率は前月比で13セント増加しました。部門別ではヘルスケア門が52,000人の増加、レジャー・観光業部門が53,000人の増加、政府部門が33,000人の増加、運輸業部門が32,000人の増加となりました。

 

3.米消費者物価指数は112.7%上昇、前月から加速

米労働省が11日公表した11月の米消費者物価指数は前年同月比で2.7%の上昇で、市場予想通りでした。エネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比で3.3%の上昇で、これも市場予想通りでした。常勝率が市場予想通りであったことから、12月の利下げを見込む市場関係者の安心感が広がりました。

物価の軟化基調に自信を示すFRB高官も、多くが25年には利下げペースの減速を見込んでいます。雇用や個人消費の勢いが堅調を保っているうえに、トランプ次期政権の高関税などの政策が物価を押し上げる懸念を持っています。

 

4.12月のFOMC会合

FOMC会合が1217-18日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました最近の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大し続けていることを示唆している。雇用状況はおおむね緩和してきており、失業率は上昇したものの低水準を維持している。インフレ率は2%の目標に向けてさらに進展したが、依然として高止まりしている。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。FOMCは雇用とインフレの目標達成に対するリスクは、おおぬね均衡していると判断している。経済の見通しは不透明であり、FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払っている。

目標を達成するため、FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.5%引き下げ、4.755.0%とすることを決めた。FF金利の目標レンジの調整を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを注意深く評価する。

FOMCは、国債、住宅ローン担保証券の保有額を引き続き削減する。FOMCは雇用の最大化を支援し、、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む11人のメンバーの賛成による。クリーブランド連銀のハマック総裁はFF金利の目標レンジを据え置くことを希望し、反対票を投じた。

今回のFOMCによる0.5%の大幅引き下げは、織り込み済みであったものの、FRB2025年の利上げペースが鈍化する見通しであることが伝えられ、金利高止まりへの警戒感から、売りが広がり、1123ドル安(2.56%減少)となりました。

           (202511日: 村方 清)

Sunday, December 1, 2024

トランプ前大統領の再選確実による株投機性の増大







1.11月の株式市場

11月の株式市場は115日の米大統領選挙でトランプ前大統領の再選が確実になったことで、減税と規制緩和への期待から、投機性が強まる展開になりました。主要な動きは以下の通りでした。

111日:日発表の9月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比12,000人増で、市場予想の100,000人を大きく下回ったが、大型ハリケーンのような、堅調な米景気という全体像は変わっていないとの受け止めが多く、株買いを支えて、289ドル高(0.69%増加)。

114日:5日投票の米大統領・議会選挙を前に主力株の一部に持ち高調整や利益確定目的の売りが出て、258ドル安(0.61%減少)。

115日:米大統領選挙の結果を見極めたい雰囲気が強かったが、景況感の改善を示す米経済指標の発表やFRBによる利下げ観測を背景に株式への買いが入り、427ドル高(1.02%増加)。

116日:5日の米大統領選挙で共和党候補のトランプ前大統領の当選が確実となり、次期政権が減税と規制緩和を進めるとの期待から幅広い銘柄に買いが入り、1508ドル高(3.75%増加)。

117日:前日に最高値を更新した後で、主力株に利益確定の売りが出たが、FRBが追加利下げを発表したことで相場を下支えして、1ドル安(0.00%)。

118日:新政権の毛財政策が米景気を支えるとの見方から0.59%引き続き買いが優勢で、260ドル高(0.59%増加)。

1111日:次期政権が打ち出す減税やっ規制緩和が米景気を押し上げるとの期待が引き続き、相場を支えて、304ドル高(0.69%増加)。

1112日:ダウ平均は大統領選挙の翌日の6日から前日までに2000ドル近く上昇したことで短期的な過熱感により主力株の一角に利益確定や持ち高調整の売りが出て、382ドル安(0.86%減少)。

1113日:10月のCPIは前月比0.2%上昇、エネルギー・食品を除くコアも0.3%上昇で、市場予想通りで、FRBの利下げ方針を変えるほどではないとして、買いが入り、47ドル高(0.10%増加)。

1114日:FRBのパウエル議長が午後の講演で米経済の好調さから、追加の利下げに慎重な見方を示したことで、売りが加速し、207ドル安(0.47%減少)。

1115日:米国の物価上昇圧力が根づよく残る中で、利下げに慎重なFRB高官が増えていることから、306ドル安(0.69%減少)。

1118日:米経済が堅調で根強い物価上昇圧力を背景に。12月の利下げ見送り観測が強まり、55ドル安(0.13%減少)。

1119日:ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりがダウ平均の重荷となり、121ドル安(0.27%減少)。

1120日:医療保険や製薬など景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株銘柄への買いが相場を支えて、140ドル高(0.3%増加)。

1121日:エヌビディアなど主力ハイテく銘柄はさえなかったが、金融株や素材株など幅広い業種に買いが入り、462ドル高(1%増加)。

1122日:同日発表の米経済指標が景気の底堅さを示し、景気敏感株や消費関連株などに買いが広がり、426ドル高(0.97%増加)。

1125日:次の財務長官にベッセント氏が指名されたことで、米政府債務が過度に膨張することへの懸念が和らぎ、440ドル高(1%増加)。

1126日:同日午前発表の11月の米消費者信頼度指数は111.710月の109.6から改善し、市場予想も上回ったことで、米景気の底堅さを示したとの見方が広がり、124ドル高(0.27%増加)。

1127日:前日にかけて最高値を更新した後で、主力株に利益確定の売りが出て、138ドル安(0.30%減少)。

1129日:米債券市場で長期金利が4.2%前後と前営業日の終値を下回って推移し、株式の相対的な割高感が薄れて、189ドル高(0.42%増)。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が111日に発表した10 月の雇用統計によれば、非農業部門の雇用者数は前月比12,000人の増加で、市場予想の100,000人を大きく下回りました。8月の雇用者数の確定値は159,000人で78,000人の増加、9月の改定値は223,000人で、31,000人の減少でした。9月の失業率は4.1%で、前月と同水準でした。労働参加率は62.6%で、前月より0.1%低下しました。10月の時間当たり賃金上昇率は前月比で13セント増加しました。部門別ではヘルスケア門が52,000人の増加、政府部門が40,000人の増加、建設業部門が8,000人の増加となりましたが、製造業部門は46,000人の減少となりました。

 

3.米消費者物価指数は102.6%上昇、前月から加速

米労働省が13日公表した10月の米消費者物価指数は前年同月比で2.6%の上昇で、市場予想通りでした。エネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比で3.2%の上昇で、これも市場予想通りでした。FRBのパウエル議長は7日の記者会見で今後12カ月はCPIで強弱が変化しても、インフレ率の鈍化シナリオは揺るがないと自信を示しました。

しかしながrs、トランプ次期大統領は公的に一律関税や大幅な減税措置、移民の強制送還などを掲げており、いずれも実現すれば、物価を押し上げる可能性があり、一部のエコノミストからはインフレ再燃のリスクがあることを指摘しています。

                (2024121日: 村方 清)

  

Friday, November 1, 2024

長期金利の上昇による株価の不安定化


 







1.10月の株式市場

10月の株式市場は中旬まで米金利の低下と米景気悪化への警戒感が薄れ、株式市場の上昇傾向が続きました。しかし、後半になると、好調な米景気に対する長期金利の上昇から、株式市場も売りが優勢となりました。主要な動きは以下の通りでした。

101日:イスラエルとイランを巡る中東情勢の緊張による高まりで、投資家がリスク回避の姿勢を強め、ハイテク株や景気敏感株を中心に売りが優勢となり、173ドル安(1.40%減少)。

102日:朝発表の9月のADP全米雇用レポートで非農業部門の雇用者数の増加幅は前月比143千人で市場予想を上回り相場を支えて、40ドル高(0.09%増加)。

103日:中東情勢が一段と悪化するとの警戒感と4日の9月の雇用統計の発表を控えていることから、持ち高調整の売りが出やすく、185ドル安(0.43%減少)。

104日:日発表の9月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比254,000人増で、市場予想の150,000人を大きく上回り、米経済の軟着陸期待から投資家の株買いが進み、341ドル高(0.81%増加)。

107日:米長期金利が2カ月ぶりに4%台に上昇したことや中東情勢の緊迫による原油価格の一段高などで、投資家の株売りが進み、399ドル安(0.90%減少)。

108日:前日まで株売り要因として意識された原油高が一服し、米経済の軟着陸期待からテック株を中心に買いが広がり、126ドル高(0.3%増加)。

109日:米景気の先行きに対する警戒感が薄れていること、及び原油先物相場の上昇一服も追い風になり、432ドル高(1.02%増加)。

1010日:同日発表の9月の米消費者物価指数はエネルギーと食品を除くと前月比0.3%上昇と市場予想の超える伸びとなり、週間米新規失業保険申請件数も258,000件で市場予想以上となったことから、物価指数などがFRBの利下げを後押しするものでなかったとの見方となり、景気敏感株などの一角に持ち高調整の売りが出て、58ドル安(0.13%減少)。

1011日:主力企業の決算発表が始まり、市場予想を上回る内容だった金融株を中心に買いが入り、米経済への楽観姿勢も相場の支えとなって、410ドル高(0.96%増加)。

1014日:米景気悪化への懸念が薄れていることや主要企業の業績改善への期待からハイテク株やディフェンシブ株などを中心に買いが優勢で、201ドル高(0.46%増加)。

1015日:半導体関連株の下げが重荷となり、四半期決算を発表した銘柄でユナイテッドヘルスが大幅安となり、325ドル安(0.75%減少)。

1016日:前日に下げが目立った半導体株の一角が買い直されたことや市場予想を上回る決算を発表したモルガンスタンレー株などに買いが広がり、337ドル高(0.78%増加)。

1017日:9月の米小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.3%増を上回り、景気への楽観的な見方が広がり、161ドル高(0.37%増加)。

1018日:ネットフレックスの好決算を背景にハイテク株が買われ、相場を下支えし、37ドル高(0.08%増加)。

1021日:連日で最高値を更新した後で、アメリカンエクスプレスなど主力株の一角に利益確定の売りが出て、344ドル安(0.79%減少)。

1022日:米長期金利の高止まりが株式相場の重荷となり、7ドル安(0.01%減少)。

1023日:底堅い米景気を背景に長期金利が3カ月ぶりの高水準に上昇、相対的な割高感が意識され、アップルやインテルなどの大型テック株を中心に売りが広がり、410ドル安(1.0%減少)。

1024日:24日までに4半期決算を発表したIBMとハネウエル・インターナショナルが大幅安となり、141ドル安(0.33%減少)。

1025日:25日の米債券市場で長期金利が4.2%台に上昇、金利の上昇による株式の相対的な割高感から、売りが優勢で、260ドル安(0.61%減少)

1028日:前週末までの5営業日で1161ドル下げた反動で、ハイテク株や金融株を中心に自立反発狙いの買いが入り、273ドル高(0.64%増加)。

1029日:住宅関連の銘柄の下げが目立ち、米労働市場が減速しているとの懸念もあり、155ドル安(0.36%減少)。

1030日:前日に最高値を付けていたハイテク株を中心に高金利の長期化を背景に割高感が強まり、92ドル安(0.22%減少)。

1031日:前日に四半期決算を発表したマイクロソフトが’大幅に下落し、ハイテク株全般に売りが広がり、378ドル安(0.89%減少)。


2.米国の雇用状況

米労働省が104日に発表した9 月の雇用統計によれば、非農業部門の雇用者数は前月比254,000人の増加で、市場予想の150,000人を上回りました。7月の雇用者数の確定値は144,000人で55,000人の増加、8月の改定値は159,000人で、17,000人の増加でした。9月の失業率は4.1%で、前月より0.1%低下しました。労働参加率は62.7%で、前月と同水準でした。9月の時間当たり賃金上昇率は前月比で13セント増加しました。部門別では飲食業部門が69,000人の増加、ヘルスケア門が45,000人の増加、政府部門が31,000人の増加、ソーシアルアシスタンス業が27,000人の増加、建設業部門が25,000人の増加となりました。


3.米消費者物価指数は前月から鈍化も予想を上回る

米労働省が10日公表した9月の米消費者物価指数は前年同月比で2.4%の上昇となったが、市場予想の23%を上回りました。エネルギーと食品を除くコア指数は前年同月比で3.3%の上昇で、市場予想の3.2%を上回りました。FRBは雇用情勢の悪化を回避するために、9月から利下げを開始して政策金利を緩和する方向に見直しをしています。但し、FRBが重視する米個人消費資質物価指数が安定的に目標の2%で推移するまでにはなお時間がかかるとみられており、FRBはは雇用と物価の指標をにらみつつ、追加利下げを会合ごとに判断すると見られています。

       (2024111日: 村方 清)