Wednesday, July 1, 2026

戦闘終結のイランとの合意及びその後の不透明性に揺れる市場







1.6月の株式市場

6月の株式市場は、トランプ政権が強く求めるイランとの戦闘終結の合意が遅れたことやその後のイスラエルによるレバノンへの攻撃などや今後の核開発をめぐる話し合いの進展への不透明感から、不安定な動きとなりました。主要な動きは以下の通りでした。

61日:エヌビディアが6.2%高となるなど主力株の一角が上昇し、指数を押し上げ、46ドル高(0.09%増加)。                                     

62日:AI投資の拡大による収益成長への期待から関連銘柄への一角に買いが入り、229ドル高(0.44%増加)。                                     

63日:中東情勢やプライベートエクイティを巡る不安が相場を押し下げて、621ドル安(1.20%減少)。                                         

64日:原油高に伴うインフレへの警戒がいったん薄れて、景気敏感株や消費財関連株への買いが目立ち、875ドル高(1.72%増加)。                           

65日:5月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比172,000人増と市場予想を大幅に上回り、FRBが当面、政策金利を現行の水準で維持するとの見方が強まり、売りが優勢で、695ドル安(1.34%減少)。                                     

68日:米長期金利の高止まりを背景に主力株の一角に売りが出て、81ドル安(0.15%)。    

69日:景気敏感株やディフェンス株の一部に買いが入り、86ドル高(0.16%増加’)。   

610日:イラン情勢の悪化を警戒した売りが広がり、953ドル安(1.87%減少)。       

611日:トランプ大統領が米国とイランとの戦闘終結に向けた最終合意が近いとの見方を示したことで、米原油先物価格が低下し、930ドル高(1.86%増加)。                

612日:米国とイランが近く戦闘終結に向けて合意するとの期待が高まり、354ドル高(0.70%増加)。                                         

615日:米国とイランが戦闘終結への覚書を交わすと合意し、リスク選好ムードが強まり、半導体株の買戻しも相場を押し上げ、469ドル高(0.9%増加)。                 

616日:米国とイランとの戦闘終結の合意を受けた原油価格の下落が続き、株式に買いが入り、331ドル高(0.64%増加)。                                

617日:FOMC参加者の政策金利予想の中央値が2026年末までに、「利上げ1回」利上げ方向に転換し、株式を売る動きが優勢になり、507ドル安(0.97 %減少)。             

618日:米国とイランの戦闘終結に向けた合意を受けた原油価格の下落が株式相場の追い風となり、72ドル高(0.14%増加)。                              

622日:米国とイランとの交渉が進展しているとの見方から買いが優勢で、148ドル高(0.28%増加)。                                         

623日:半導体を中心に人工知能関連銘柄の一角が売られ、相場の重荷となり、46ドル安(0.08%減少)。                                     

624日:原油価格の下落を手掛かりに株式に買いが入り、182ドル安(0.35%増加)。     

625日:人工知能(AI)投資の恩恵を受ける銘柄が買われたものの、製品の値上げを発表したアップルが6%近く下げ、72ドル高(0.13%増加)。                      

626日:AI関連や半導体銘柄に売りが出て、株式投資の重荷となり、45ドル安(0.08%減少)。                                                                                                                               629日:アルファベットなどのテック株を買い直す動きが広がり、307ドル高(0.59%増加)。 

630日:AIや半導体関連株などを中心に買いが優勢で、136ドル高(0.26%増加)。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が65日に発表した5月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比172,000人の増加で、市場予想の80,000-110,000人の増加を大きく上回りました。3月の雇用者数の確定値は214,000人で、29,000人の増加、4月の改定値は179,000人で、64,000人の増加でした。5テ氏関税の領が月の失業率は4.3%で、前月と同じ水準でした。労働参加率は61.8%で、前月と同じ水準でした。5月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で12セント増加しました。部門別ではレジャー・観光業が70,0000人の増加、地方公務員が55,000人の増加、ヘルスケア部門が35,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が12,000人の増加でした。その一方、金融部門は22,000人の減少となりました。

 

36月のFOMC会合

FOMC会合は616-17日に開催され、5月に就任したウォーシュ議長が初めて取り仕切りました。会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。

FOMC120の賛成多数で、以下の声明の高評を承認した。

FOMCは連邦準備制度の2つの責務を支持するため、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジを3.53.75%に維持することを決定した。FOMCは銀行システムにおける十分な準備預金の維持という方針を再確認した。

中東紛争に起因する不確実性の高まりにかかわらず、経済活動は堅調に拡大している。生産性の伸びと設備投資は力強く、雇用の増加は労働力人口の増加に追いついており、失業率もほとんど変化していない。

インフレ率はFOMCの目標とする2%に対して依然として高い水準にある。これはエネルギーを含む一部のセクターの価格上昇を引き起こした供給ショックを部分的に反映したものである。FOMCは物価安定を実現する。

FRB17日まで開いたFOMCで市場の予想通り政策金利を4回合連続で据え置きました。参加者の政策金利見通しでは、2026年末の中央値が据え置きと0.25%の利上げ1回分に相当する水準となりました。ウォーシュ氏は議長就任後の記者会見で、物価の安定の実現を強調したため、措定ほど金融緩和に前向きではない可能性が意識されました。生金利見通しと合わせてタカ派的な会合との受け止めがあり、ダウは507ドル安(0.97%減少)となりました。

       (202671日:村方 清)

 

 

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