Wednesday, October 1, 2025

利下げ期待が先行する米株式市場


 







1.9月の株式式市場     

9月の株式市場は、関税などによるインフレ率の上昇を懸念するFRBと雇用状態悪化を理由に株式市場の更なる上昇を求めるトランプ政権の対立が表面化、17日にFOMCが金利を下げたことで、上昇相場が続きました。主要な動きは以下の通りでした。

92日:米国の財政不安を背景に米長期金利が上昇し、株式の割高感が意識され、249ドル安(0.54%減少)。                                       

93日:米経済や財政を取り巻く不透明感から、景気敏感株などが売られて、25ドル安(0.05%減少)。                                          

94日:4日発表のADP全米雇用レポートで、非農業部門の雇用数は前月比54,000人増と市場予想の75,000人増を下回り、FRBの利下げ再開との観測から、350ドル高(0.77%増加)。      

95日:朝方発表の8月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比22,000人の増加で、市場予想の80,000人を大きく下回り、失業率も4.3%と前月の4.2%を上回ったことで、経済の先行き不透明感が強まったことで、主力株を中心に売りが広がり、220ドル安(0.48%減少)。     

98日:FRBが来週にも利下げをするとの観測が投資家心理を支えて、ハイテク株や消費関連株の一角に買いが入り、114ドル高(0.25%増加)。                        

99日:米雇用統計の年次改訂で労働市場の減速が示されたことを受け、市場ではFRBの利下げ観測が強まり、196ドル高(0.4%増加)。                         

910日:11日発表の8月の消費者物価指数を見きわめたい雰囲気が強い中、主力株の一部に利益確定の売りが出て、220ドル安(0.48%減少)。                       

911日:11日に発表された8月の米消費者物価指数が前年同月比2.9%の上昇で市場予想と一致したものの、来週のFRBの利下げを妨げるほどのものではないと受け止められて、617ドル高(1.35%増加)。                                     

912日:前日に大幅に上昇、最高値を更新した後で主力株に利益確定の売りが出て、274ドル安(0.59%減少)。                                     

915日:米中の貿易問題に関する閣僚会議の進展やFRBの利下げ観測の期待から、49ドル高(0.10%増加)。                                     

916日:117日のFOMCの結果を見極めたい雰囲気の中で、主力株の一部に持ち高調整の売りが出て、126ドル安(0.27%減少)。                             

917日:FRB17日のFOMC0.25%の利下げを決め、今後も利下げを継続する見通しを示したことで、景気敏感株や消費関連株に買いが入り、260ドル(0.56%増加)。            

918日:FRBが前日に利下げを再開したことで、引き続き相場の支えとなり、124ドル高(0.26%増加)。                                     

919日:FRBが利下げを続けることで米経済を支えるとの見方や米中首脳が電話で両国間の課題について対話を続けることを確認したことで、173ドル高(0.37%増加)。           

922日:前週末に続き、アップルやエヌビディアなどのハイテク株を中心に株式相場を牽引し、66ドル高(0.14%増加)。                                

923日:FRBのパウエル議長が株価がかなり高いことに関連して、追加の利下げに慎重な姿勢を示したとの見方から、ハイテク株などに利益確定の売りが出たことで、89ドル安(0.19%減少)。

924日:主要株価指数が過去最高圏で推移する中、ハイテク株を中心に利益確定売りが出て、172ドル安(0.37%減少)。                                

925日:25日発表の米経済指標が景気の底堅さを示したことで、FRBが利下げを急ぐ必要が薄れたとの観測から、売りが優勢で、174ドル安(0.38%減少)                  

926日:同日発表の8月の米個人消費支出物価指数が市場予想と一致する内容であったことで、年内の追加利下げを揺るがすものではないとの見方から、300ドル高(0.65%増加)。      

929日:米利下げ継続期待による買いが続き、69ドル高(0.14%増加)。          

930日:ファイザーなど製薬会社とトランプ政権の薬価引き下げの合意の動きが続いていることで、82ドル高(0.18%増加)。

  

2.米国の雇用状況

米労働省が5日に発表した8月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比22,000人で、市場予想の80,000人を大きく下回りました。6月の雇用者数の確定値はマイナス13,000人で27,000人の減少、7月の改定値は79,000人で、6,000人の増加でした。7テ氏関税の領が月の失業率は4.3%で、前月より0.1%悪化しました。労働参加率は62.3%で、前月より0.1%増加しました。8月の時間当たりの賃金上昇率は前月比で10セント増加しました。部門別ではヘルスケア部門が31,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が16,000人の増加でしたが、政府部門は15,000人の減少、卸売部門が12,000人の減少、製造業が12,000人の減少となりました。

 

3.  8月の米消費者物価指数は前年同月比で2.9%上昇

米労働省が11日に発表した8月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率が7月の2.7%から2.9%に加速しました。食品は前月比で0.5%値上がりし、およそ2年半ぶりの高い伸び率になりました。トランプ政権は一部品目に関税を免除するなどの対応に追われています。

CPIはおおむね予想通りの結果となり来週1617日のFOMC会合で利下げ再開を確信させる内容と受け止められています。物価上昇率の水準は高いものの、FRBの関心はやや雇用情勢の悪化リスクへの対応に重心を置きつつあります。

 

49月のFOMC会合

FOMC会合916-17日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました最近の指標は、経済活動の伸びが緩やかになっていることを示唆している。雇用の伸びは減速し、失業率は小幅に上昇したものの依然として低水準にある。インフレ率は上昇、やや高い水準で推移している。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払ってい、雇用の下振れリスクが高まったと判断している。

目標達成を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き下げて、44.25%に据え置くことを決めた。FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度と時期を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

FOMCは、国債、住宅ローン担保証券の保有額を引き続き削減する。FOMCは雇用の最大化を支援し、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む11人のメンバーの賛成による。ミラン理事は0.5 %の利下げを希望し、反対票を投じた。

今回のFOMCでは、0.25%の利下げを決めると同時に、今後も利下げを継続する見通しを示したことで、景気敏感株や消費関連株に買いが入り、ダウ平均は260ドル高となりました。但し、ナスダックとSP500の平均は73ドル安と6ドル安になりました。

           2025101日: 村方 清

 

Monday, September 1, 2025

関税によるインフレ懸念と利下げ期待が交錯する市場








1.8月の株式市場

8月の株式市場は関税によるインフレの影響が限定的であったことやFRBによる利下げ期待への高まりで、上昇傾向となりました。但し、トランプ大統領による相互関税については829日にワシントンの連邦控訴裁判所が一審に続いて違憲との判断を下しており、今後の展開が注目されます。主要な動きは以下の通りでした。

81日:朝方発表の7月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比73,000人の増加で、市場予想の100,000人を大きく下回り、失業率も4.2%と前月の4.1%を上回ったことで、経済の先行き不透明感が強まったことで、主力株を中心に売りが広がり、542ドル安(1.22%減少)。     

84日:前週末に市場予想を下回った7月の雇用統計を受けて500ドル超下げたが、企業が相次いで好業績を残していることで、下げを取り戻して、585ドル高(1.34%増加)。        

85日:米政権による関税政策が景気を冷やすとの懸念が強く、ハイテク株を中心に主力株に売りが出て、62ドル安(0.14%減少)                            

8月6日:米国での生産拡大のために1000憶ドルの追加投資を決めたアップルが大幅に上昇し、81ドル高(0.18%増加)。                                  

8月7日:米経済を巡る先行き不透明感が根強く、景気敏感株や消費者関連株に売りが優勢で、224ドル安(0.50%減少)。                                  

8月8日:FRBが次回9月の会合で利下げをするとの見方が広がり、207ドル高(0.47増加)。  

811日:金融政策を見極める上で重要な物価指標が発表されるのを前に、高値圏に会ったハイテク株などに利益確定売りが出て、201ドル安(0.45%減少)。                 

812日:朝方発表の7月の米消費者物価指数が概ね市場予想通りとなり、物価上昇への過度な警戒が和らぎ、484ドル高(1.09%増加)。                          

813日:FRB9月に利下げの観測が強まり、株を買う動きが優勢で、464ドル高(1%増加)。

814日:朝方発表の米卸売物価指数が前月比0.9%と市場予想の0.2%を大きく上回り、関税引き上げの影響が企業の収益を圧迫しているとの懸念が改めて広がり、11ドル安(0.2%増加)。  

815日:同日発表の7月の米小売売上高は前月比0.5%増と市場予想と一致するものの、8gg圧のニューヨーク連銀のの製造業景況感指数は紫綬予想を大幅に上回るなどまちまちで、週末をはさんで伸び悩んで35ドル高(0.07%増加)。                        

818日:昨年12月に着けた最高値に迫っており、持ち高調整や利益確定の売りが優勢で、34ドル安(0.07%減少)。                                   

819日:同日に四半期の好決算を発表したホーム・デポが相場の上昇をけn引きしたが、ジャクソンホール会議を前に投資家の慎重姿勢も強く、10ドル高(0.02%増加)。          

820日:米利下げ期待が強い反面、半導体やハイテク株に利益確定や持ち高調整の売りも優勢で、16ドル高(0.03%増加)。                              

821日:四半期決算を発表したウォルマートが4.4%と大幅に下落し、他の消費関連株も連れ安して相場の重荷となり、153ドル安(0.34%減少)。                     

822日:FRBのパウエル議長の講演をうけて、利下げ期待から幅広い銘柄に買いが広がり、846ドル高(1.89%増加)。                                  

825日:FRBの利下げ観測を背景に先週末に最高値を記録した後で、主力株に利益確定の売りが出て、349ドル安(0.76%減少)。                             

826日:同日発表の米経済🅂指標が景気の底堅さを示したとの見方から、主力株の一部に買いが入り、136ドル高(0.30%%増加)。                            

827日:早期の利下げ観測が意識される中、相場全体に出遅れ感のある割安な銘柄が買われ、147ドル高(0.32%増加)。                                

828日:同日発表の2025年第2四半期の米国実質国内生産(GDP)がゼ年同期比3.3%増と市場予想を上回り、投資家心理が改善し、72ドル高(0.15%増加)。               

829日:AI需要を巡る不透明感が浮上し、ハイテク株を中心に売りが出て、92ドル安(0.20%減少)。

                                                                                     

2.米国の雇用状況

米労働省が1日に発表した7月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比73,000人で、市場予想の100,000人を下回りました。5月の雇用者数の確定値は19,000人で135,000人の減少、6月の改定値は14,000人で、133,000人の減少でした。7テ氏関税の領が6月の失業率は4.2%で、前月より0.1%悪化しました。労働参加率は62.2%で、前月より0.1%減少しました。3月の時間当たり賃金上昇率は前月比で12セント増加しました。部門別ではヘルスケア部門が55,000人の増加、ソーシャル・アシスタンス部門が18,000人の増加でしたが、政府部門は12,000人の減少となりました。

 

3. 米消費者物価指数は前月比0.2%上昇

朝方発表の7月の米消費者物価指数は前月比0.2%上昇、市場予想通りのものとなりました。一方、エネルギーと食品を除くコア指数は3.1%と予想を上回ったものの、債券市場では安ど感が勝り、FRB9月の利下げを見込んで2年債利回りが低下しました。

関税の影響については、見方が分かれています。相互関税の基礎税率10%が4月に発動して3か月がたち、物の価格に一定の上昇圧力をかけているとみられるが、物価全体を押し上げる姿は浮き出ていません。FRBのの高官からは関税インフレを数か月単位では見極まられず、時間軸を修正する声も上がっています。

           (202591日: 村方 清)

     

Friday, August 1, 2025

貿易赤字縮小ではなく、投資拡大にシフトしたトランプ政権の関税政策









1. 7月の株式市場

7月の株式市場はトランプ政権による81日からの相互関税の新税率発動の前に、822日に日本と27日にEUとの合意に達しました。いずれも、関税率を15%に引き下げる代わりに、各国から米国への巨額投資を実施する内容となっています。主要な動きは以下の通りでした。

71日:製薬や保険などこのところ株価の動きがさえなかった銘柄に買いが入り、400ドル高(0.90%増加)。                                           7月2日:朝発表の雇用関連指標が米労働市場の悪化傾向を示し、米経済の先行き不透明感が重荷となり、11ドル安(0.02%減少)。                                     73日:朝方発表の6月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比147,000人の増加で、市場予想の110,000人を上回り、失業率も4.1%と前月の4.2%を下回り、主力株を中心に買いが入り、344ドル高(0.77%増加)。                                        77日:トランプ米大統領が7日、日本と韓国に25%の関税を課すと表明した。米政権の貿易政策が世界景気の冷え込みにつながるとの懸念から主力株に売りが出て、422ドル安(0.94%減少)。        78日:トランプ政権の貿易政策を巡る不透明感が引き続き相場の重荷となり、166ドル安(0.37%減少)。                                              79日:米政権による貿易政策の不透明感が根強い中、米長期金利が低下したことやエヌビディアなどハイテク株に買いが入り、218ドル高(0.49%増加)。                        710日:朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が227, 000件となり前週から減少したことや、出遅れていた消費関連株や景気敏感株などが物色され、192ドル高(0.42%増加)。             711日:トランプ政権がカナダに対して81日から35%の関税を課すと表明したことで、米国の関税政策が世界景気を押し下げるとの懸念が広がり、主力株を中心に利益確定の売りが優勢で、279ドル安(0.62%減少)。                                                                           714日:トランプ大統領がEUとメキシコへ#0%のちゅい関税を課すことを明らかにしたことで売りが先行したが、交渉次第で税率が下がるとの楽観的な見方が強く、88ドル高(0.19%増加)。        715日:朝方発表の6月の米消費者物価指数が前月比0.3%増加で、市場予想とは一致したものの、前月比からは加速し、米長期金利も上昇したことで、主力株の利益確定売りが強く、437ドル安(0.93%減少)。                                    716日:朝方発表の週間の米新規失業保険件数が227,000件と前週から減少、市場予想も下回り、ハイテク株に出遅れていた消費関連株や景気敏感株が物色され、231ドル高(0.53%増加)。         717日:同日発表の6月の米小売売上高は前月比0.6%増と5月の0.9%減kら持ち直し、米景気の底堅さを示し、半導体などハイテク株の一部に買いが広がり、230ドル高(0.51%増加)。            718日:主力株が高値圏にあり、持ち高調整や利益確定のリが出やすかったことに加え、米大統領がEUとの関税交渉において強気姿勢を示していることで、142ドル安(0.31%減少)。            721日:米政権とEUとの貿易交渉を巡る不透明感が重荷となり、19ドル安(0.04%減少)。  722日:トランプ政権が81日に定める貿易交渉の期限が迫る中、協議進展への期待から株を買う動きが優勢で、179ドル高(0.4%増加)。                                  723日:22日の日米関税交渉の妥結で他国との交渉進展が期待され、507ドル高(1.1%高)。     724日:決算発表をしたIBMやハネウエル等が不振で大幅安となり、316ドル安(0.70%減少)。     725日:米国と主要貿易相手国との関税交渉が前進するとの見方から、買いが優勢で208ドル高(0.46%増加)。                                            728日:米国と欧州が727日に関税交渉で合意に達したものの、主要株価指数が高値圏にあるため、主力株の一部に利益確定の売りがが出て、64ドル安(0.14%減少)。                  729日:四半期決算を発表したユナイテッドヘルス・グループやメルクが下落し、持ち高調整の売りが優勢で、205ドル安(0.45%減少)。                                730日:FRBのパウエル議長がFOMC後の記者会見で、早期の利下げに慎重な姿勢を示したため、金融緩和が米経済を支えるとの見方が後退し、主力株が売られて、172ドル安(0.38%減少)。         731日:朝方発表の6月の米個人消費支出物価指数が前年同月比の上昇率は2.6%と市場予想を上回り、週間の米新規失業保険申請件数は218千件と紫綬予想を下回るなど、米経済の底堅さを示したことで、市場の利下げ観測を後退させたため、株売りが盛んで、330ドル安(0.74%減少)。

 

2.米国の雇用状況

米労働省が3日に発表した6月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比147,000人で、市場予想の110,000人を上回りました。4月の雇用者数の確定値は158,000人で11,000人の増加、5月の改定値は144,000人で、5,000人の増加でした。テ氏関税の領が6月の失業率は4.1%で、前月より0.1%改善しました。労働参加率は62.3%で、前月より0.1%減少しました。3月の時間当たり賃金上昇率は前月比で8セント増加しました。部門別では政府部門が73,000人の増加、ヘルスケア部門が39,000人、ソーシャル・アシスタンス部門が19,000人の増加となりました。

 

3.  米消費者物価指数は前月比’0.3%上昇

朝方発表の6月の米消費者物価指数は前月比0.3%上昇、市場予想とはいちいしたものの5月の0.1%から加速しました。食品とエネルギーを除くコア指数の上昇率は前年同月比2.9%上昇と5月の2.8%から拡大しました。

エコノミストの間では、インフレ率は今後数カ月で加速するとの見方が主流で、FRBの高官も、関税率の更なる引き上げを警戒心を緩めていません。

 

4.日米関税の合意内容                              

今回の合意により、81日から日本に対して25%を課すとしていた「相互関税」は15%に引き下げられることになりました。とくにネックだった発動済みの自動車への追加関税は25%から12.5%と半分に引き下げられ、従来の2.5%と合わせて15%が新たな税率となりました。

「我が国の基幹産業である自動車および自動車部品について、本年4月以降に課された25%の追加関税率を半減し、既存の税率を含め15%とすることで合意した。世界に先駆け、数量制限のない自動車・自動車部品関税の引き下げを実現することができた」                   

なお、自動車、トラック、コメなどの農産品について日本が「貿易を開放する」とも記された。石破首相は農産品について、日本への輸入関税をかけない「ミニマム・アクセス米」の総量は変えず、その枠の中でアメリカからの調達割合を増やすことで合意したと説明。「(日本の)農業を犠牲にするようなことは一切含まれていない」と強調した。                        

そしてトランプ大統領が、(日本が)アメリカに5500億ドル(約80兆円)を投資する」と投稿した内容について石破首相は、「日本企業が関与する医薬品、半導体などの重要分野での対米投資促進のため、政府系金融機関が最大5500億ドル規模の出資、融資と融資保証を提供可能にするということで合意した」と説明しました。これは、2月の日米首脳会談で石破首相がトランプ大統領側に示した、「関税より投資」の働きかけを続けた成果とも言えます。

 

57月のFOMC会合

FOMC会合729-30日に開催され、会合後の声明要旨で以下のことが伝えられました。純輸出の振れがデータに影響を及ぼしたものの、最近の指標は、経済活動の伸びが緩やかになっていることを示唆している。失業率はここ数か月、低水準で安定しており、労働市場の状況は堅調なままである。インフレ率はいくぶん高止まりしている。

FOMCは最大雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。経済見通しに関する府果実性は依然として高い水準にある。FOMC2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払っている。

この目標を支えるために、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを4.254.5%に据え置くことを決めた。FF金利の目標レンジの調整を検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する。

FOMCは、国債、住宅ローン担保証券の保有額を引き続き削減する。。FOMCは雇用の最大化を支援し、インフレを2%目標に戻すことに強く注力している。

金融政策の適切なスタンスを評価する上で、経済指標が見通しに与える影響を引き続き注視する。目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。労働市場の状況やインフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する広範な情報を考慮に入れる。

決定はパウエル議長、ウィリアムズ副議長を含む9人のメンバーの賛成による。ボウマン金融担当副議長とウォラー理事は今回の会合でFF金利の目標‘レンジを0.25%引き下げることを希望し、反対票を投じた。クグラー理事は欠席した。

今回のFOMCでは、政策金利の据え置きを決定しましたが、副議長ら2人が利下げを求めて反対票を投じました。声明文では、景気について「堅調」との文言を削り、経済活動が「緩やかに」なっていると修正しました。パウエル議長ら多くの高官は関税による物価高を懸念しています。パウエル議長は関税による物価の押仕上げが一時的にとどまることをとても合理的な基本ケースとしつつ、長期化するリスクもあると強調しました。雇用情勢についても、パウエル議長は16月期の実質経済成長率が1.2%と24年の2.5%から減速したとしつつ、労働市場についてはまだかなり堅調としてきしました。

トランプ大統領は即時の利下げを求めています。パウエル議長は記者会見で、先進国は金融政策の決定を政治の支配から遠ざけていると強調しました。「それがなければ、例えば選挙に影響を与えるために金利を利用したいとする大きな誘惑になるだろう。それは私たちがやりたくないことだ」と述べて、中央銀行の独立性を重視すべきだと訴えました。

          (202581日: 村方 清)